校長ブログ

科学研究論文

2023.09.20 トレンド情報
9月20日

 文科省の「科学技術指標2023」(科学技術・学術政策研究所)によれば、科学研究論文の量や質に関わる主要3指標では中国が2年連続で世界トップ。日本の注目論文数は前年の12位から13位となり、過去最低です。

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 同研究所は主要国の論文数を分析し、年に1回公表しています。データは1年だけでは変動が大きすぎるため、3年平均。総論文数では、中国が世界シェアの24.6%を占め、2位の米国との8.5ポイントの差をつけています。

 「トップ論文」は引用数が上位1%、「注目論文」は引用数が上位10%のものですが、中国は前者が29.3%、後者が28.9%であり、いずれも米国を凌駕しています。中国は2017年に総論文、2018年に注目論文、2019年にトップ論文の数で米国を抜いています。それだけ研究体制が整っているということです。

 今回、日本を抜いて12位になったイランは、エネルギーや熱力学などの分野の研究が進んでいます。理工学分野では米国の大学院への留学数も世界4位だとか...。さらに、ランキングで伸びが顕著な中国やインドの論文からの引用も多いようです。

 論文を引用した研究者の所属が国内にある割合は、米国29%、日本19%、英独仏韓は10%台。一方、中国は61%と高くなっており、自国で研究者が互いに論文を引用しあう傾向が強くなっているそうです。世界的に有名な科学誌であるネイチャー(英)やサイエンス(米)の論文数では、米国の約7割に比べると、中国は2割にも満たないものの、英独に次ぐ4位になっていることからさらに飛躍していくことが想定されます。

 日本では博士号取得者の伸び悩みが課題でしたが、改善の兆しもあるとか。減少傾向だった修士課程への入学者も2021年度から増加しており、昨年は前年比約2%増の約7万6,000人となっています。今、理工系人材の育成(校長ブログ2023.8.8)が求められていますが、その一助が中高大の連携であることは言うまでもありません。