校長ブログ

生成AI活用に向けた自治体の取り組み

2023.09.09 EdTech教育
9月9日

 関西で多くの自治体が生成AIの活用に向けたモーションを起こしています。背景にあるのはDX化。総務省は2020年に「自治体DX推進計画」を策定していますが、この中の一つとしてAIの活用が打ち出されています。

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 マイクロソフトが日本のデータセンターで完結させたチャットGPTのサービスを開始するなど、自治体が生成AIを活用しやすい環境が整ってきました。同時に、文章の要約といった作業をAIが代替できれば時間短縮にもなり、働き方改革につながると期待されています。自治体はすでに、チャットGPTなどの生成AIの利用に向けたガイドライン策定に取り組んでいます。

 神戸市は、全国に先駆けて生成AIの利用に関する条例を制定しています。個人情報など市民の権利が侵害されないよう配慮を重ね、安全性を確保できると認められるものだけを使うことが盛り込まれています。神戸市同様、奈良市は試験導入をスタート、業務の効率と併せて、情報漏洩などのリスク管理も含めた対応を行っています。大阪市は今後、ガイドラインを策定、文章の要約作成や添削、議事録の概要の作成といった利用方法をイメージしたガイドライン策定に動いています。

 文章や画像などを自動生成する生成AIへの指示はすべて人。現在、自治体では、議事録の要約や校正、問い合わせへの回答などの業務での活用が期待されています。神戸市では、すでに発表資料の原稿作成などに役立てており、業務の効率化に貢献しているようです。試行を経て検証し、2024年にも本格利用する方向性のようです。

 生成AIについては、個人情報を扱うため、情報漏洩や著作権侵害のリスクなどが指摘されています。今後、さらに、コストやセキュリティー、操作性などを見極めて適切な利用方法を構築していく必要があります。自治体によっては、まだまだ様子を見てからという慎重論もあるものの、いかに安全性を担保し、理解を得ながら、効率化に結びつけていくのかが肝になります。