校長ブログ

今後の教員養成

2023.08.24 トレンド情報
8月24

 文科省は、大学での教員養成のあり方を見直す方向性を打ち出しました。具体的には、教職課程の認定基準を改め、最短2年で教員免許を取れる制度を導入し、IT系学部出身者や長期留学経験者が教員になれる道を開くとのことです。

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 教育職員免許法では、免許がなければ学校で教えることはできません。免許状は、大学を卒業し、基礎資格を得た上で、教職課程で所定の単位を習得した者に都道府県教育委員会が授与する仕組み。45校ある国立の教員養成大学・学部に加え、公私立の大学も教職課程を置いており、教員免許の授与数は約187千件(2021年)となっています。

 現行制度では、教職課程を履修すれば、大学で1種免許、短大で2種免許を取得できることになっています。1種は幼稚園から高校まで、2種は幼稚園から中学まで教えられる資格ですが、今回、2種を大学でも特例的に取れるようにするとのことです。

 分野で言えば、STEM(科学・技術・工学・数学)系や国際関係系、心理系などの学部・学科に2種免許を取れる課程を置き、2025年春の入学者から実施することを想定しています。なお、国立の教員養成系大学や教育学部では、教職経験者の占める割合が約16%(2022)という現状に対し、文科省は2026年度以降、教育学部の教授らの2割以上を教員経験者にするよう義務づけています。

 1種の場合、必要とされる単位数が5159あり、長期留学したり、教育学部ではないと取得を断念する学生がいたこともまた事実。それに比べ、2種の場合、必要とされる単位数は3137であるため、負担感は減り、留学や他学部との両立の可能性が高くなります。公立の小中高の教員採用試験は、2011年度では18万人を超えていましたが、10年経過した2021年度は約126千人にまで減少しており、倍率も2.5倍と過去最低です。

 教育現場では、データ活用、小学校での英語の強化化、デジタル教科書の導入など、変化は激しく、教員に求められるスキルは一段と高いものになっています。(私自身、大学で教職課程を履修する学生や大学院で臨床教育学を専攻する学生に対する授業では最新テーマを盛り込むようにしています)文科省は大学で専門分野の学びを深めた学生が免許を取得できる履修モデルをつくるだけでなく、指定された大学は履修科目の一部をデジタル技術で学修できる「教員養成フラッグシップ大学」制度も活用するそうです。