校長ブログ
AI時代の教育を考える②
2023.08.11
EdTech教育
8月11日
前回の「AI時代の教育を考える①」の続きです。
校長:本校ではこの部分の肝になるのが定期考査や模試を生徒自身が振り返るリフレクションアワー、その後に行う面談週間での担任の先生によるコーチングと考えております。勿論、担任だけでなく、教科担当の先生と交わす日々のさりげないやりとりも重要です。
S氏:素晴らしい取り組みですね。ファシリテーターとしての役割というところもご教示ください。
校長:ファシリテートとは、うまく進むように支援することですから、生徒一人ひとりの学習習慣がいかに円滑に回るように指導していくかがポイントになります。
S氏:たいへんよくわかります。
校長:教師は教科の内容を教えるだけでは不十分であり「勉強のやり方」を教え、学習習慣を定着させてはじめて効果が期待できるのです。
S氏:ご指摘の通りだと思います。話は戻りますが、生成AIを海外の一部の学校では校内使用を禁止していますが、現実的に校外での利用は止められないと思います。教育現場での活用についてご助言いただきたく思います。
校長:高度な知能をもつ生成AIの広がりは無限ですが、教育現場での成否はルールとマナーにつきると感じています。
S氏:なるほど。
校長:教育活動の大命題がバランスのとれた知育・徳育・体育の下、物事の本質を見極める力をつけることだとするならば、まずは「思考、判断、表現」する力をつけるカリキュラムへのアップデートが第一。その上で、社会のリアルな問題に対し、ディベートで背景知識を強化したり、芸術分野で創造性を高めたり、ボランティア活動に参加し学習履歴をつけたりするなど、総合力を育成する取り組みに発展させるシラバスを作成し、実践することが学校の役割です。そして、そのツールとして生成AIがあり、効果的な活用の仕方も含めて、生徒たちにどのように落とし込むかが命運を分けると思います。
S氏:生成AIが人間を凌ぐ能力を獲得しようとしている今、知的作業を担い始めるテクノロジーとどう向き合うべきかというヒントをいただいたような気がします。人間にしかできない能力開発や教育の質の向上には改めて産官学の協働が不可欠であることを確信しました。我々、企業側にも示唆に富むご助言、ありがとうございました。貴校が注目される所以を再認識しました。益々のご発展を祈念しています。
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