校長ブログ
デジタルでの課題解決
2023.06.12
EdTech教育
6月12日
DX化が進展し、専門人材が不足する中、データ分析を通じて課題解決につなげるデータサイエンス系の学部・学科の新設が急増しています。
毎年、あちらこちらで大学入学式の学長のメッセージが紹介されています。データサイエンス系の新設に伴い、多くのトップがデジタルを通じて社会の課題解決につながる実践力を身につけてほしい旨のメッセージを残されており、時代の潮流を読み取ることができます。
東京大学の藤井輝夫学長は、チャットGPTを例にし、米国の大学トップの著書を引用、AIやロボットの技術が進化した今、大学では創造性を育む経験学習が必要と述べられています。京都大学の湊長博学長は、データ収集で文章を自動生成する対話型AIについて、時間をかけて検証し、自身の思考や感性を表現するというプロセスが欠けていることを指摘されています。
ソーシャル・データサイエンス学部を新設した一橋大学の中野聡学長は、地球規模の課題を解決するためにデータサイエンスの知見と融合させる教育研究、データサイエンス学部を新設した名古屋市立大学の浅井清文学長は、大量のデータを分析し、社会課題の解決に生かす実践的な人材育成、慶応大学の伊藤公平塾長は、創立者である福沢諭吉の言葉とともに、科学技術の発展とビジネスのあり方も目まぐるしく変化する中で学び続け、自分と周りを高めていく能力が必要であること、上智大学の曄道佳明学長はいかに自分らしく、独自性のある新しい知識を見い出せるか、そして、社会課題に対する周囲と異なる「解」を導く力が必要と言及されています。
AI研究の発展で新たな流れが生まれつつある昨今、ビッグデータから専門家のノウハウを自力で獲得し、プロが気づかない特性を見い出すまでのレベルに至っています。つまり、人が集めた教材ではなく、AIが競い合うことで進化する技術の登場したということ。これらは間違いなく、日本経済の生産性を高め、中長期的な実力を示す潜在成長率を高める土台になるはずです。その意味で、スキルを身につけ、最新設備を使いこなせる人材が育たなければ、成長を押し上げる効果は期待できません。アプローチの方法は多種多様ですが、時代の潮流に敏感でありたいものです。