校長ブログ
地元連携ーサービスの多様化
2023.06.03
トレンド情報
6月3日
コンビニのサービスが多様化しています。神戸市内では、ローソンが地元の青果業者と野菜・果物の販売を開始。店では昼間しか販売できませんが、コンビニなら24時間販売できるというメリットがあります。当初は3店舗でしたが、今では約250店舗にまで広がっているとか...。店舗数が飽和状態になっている都市部では、多くの自治体が住民の生活環境を向上させることを目途に様々な企画を展開しており、このように地元に密着した連携が進められているのです。同社は、全国に先駆けて、和歌山県とも災害対策などの連携協定を結び、全国に波及させています。
人口あたりの店舗数を2020年と比較すると、奈良県(101.53%増)が唯一2倍を超え、関西6府県で最高となっています。しかし、人口10万人当たりの店舗数で見ると最下位(34.67店)であり、まだ郊外や中山間地域には出店余地があると言われています。
神戸市には、ふつうのコンビニ以上に充実した野菜や果物が並ぶコーナーを設けるローソン店舗があります。そこでどのような野菜を置き、いくらで売るかを決めるのは青果業者の仕事。仕組みとしては、新たな客層を開拓したいコンビニとコロナ禍で売り上げが落ちた青果店をマッチングし、売れた分だけ仕入れ費を払うというもの。実際、野菜の売り上げが約4倍になり、コロナ禍以前よりも売り上げが増加した製菓業者があったようです。
和歌山県がローソンと連携協定を結んだのは、災害や治安対策、県産品の活用促進が主。石原肇氏(近畿大学総合社会学部教授)は、これが都道府県とコンビニの連携協定の始まりと言われています。さらにセブンイレブン、ファミリーマートとも連携協定を結んでいます。また、和歌山県立医科大学はファミリーマートと「災害時における物資調達に関する協定」を締結、付属病院は基幹災害拠点病院に指定され、南海トラフ地震といった災害医療の中核病院としての期待が高まっています。災害時には付属病院内で運営しているファミリーマートから優先的に供給してもらえるそうです。
京都市は「バスの駅」事業でサークルKと連携協定を結んでいます。「バスの駅」は歩道が狭いバス停などで、近接する土地の所有者に場所を提供してもらいベンチや屋根を備えた待合所を設置する事業のこと。実施する店舗では客がバスを待つスペースを確保するだけでなく、バスの接近を示すモニターや時刻表も置くとのこと。現在、市内には歩道の狭い場所が多く、屋根やベンチ付きのバス停が少ないといった課題があり、快適に待ち時間を過ごしてもらうことをめざしています。
自治体とコンビニの連携は地域社会の中により深く入り込み、高齢者の見守りや移動販売・宅配など、地域のニーズに沿った取り組みをどのように展開していくかがポイントになっているのです。