校長ブログ
99回目の創立記念日
2023.05.09
学校生活
5月9日
今日は本校の99回目の創立記念日です。歴史をひもとけば、山手尋常小学校の一部を借りて山手学習院として開校したのが1924年。時代は大正時代です。
当時、小学校を卒業して、さらに勉学を深めたいと思う生徒のための高等女学校が不足していました。山手尋常小学校の杉野精造校長らのご尽力により、卒業生や保護者、地域の方々からご支援をいただき、山手学習院が新設されたのが本校のルーツ。授業はこうべ小学校のあるところで行われ、南門付近には「山手小学校発祥の地」という石碑があります。以降、学校は幾多の歴史を刻み、2020年4月、神戸山手学園は濱名学院と法人合併、濱名山手学院として生まれ変わり、幼児教育から中高、専門学校、大学、大学院を擁する一大総合学園に発展しました。
杉野校長の思いが込められているという建学の精神の一つである「自学自習」は、タイム・マネジメント・シート(学習計画表)を作り、リフレクションアワーで担任や教科担当のコーチングを経て、EdTech等を駆使して自己調整しながら個別最適な学びに向けたPRCAサイクルという独自の学習スタイルとなって脈々と受け継がれています。また、教員はシラバスを公開し、毎時間「学習の目標」を明示、定期考査・模試分析会を通じて改善策を打ち出すだけでなく、研究授業やシンポジウムを開催、授業改善を試み、さらに、学校評価や授業満足度調査を通じて、自己研鑽に励まれています。これらは文科省が推奨する「誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学び」に直結するのと同時に、ICT技術を基盤とした先端技術や教育ビッグデータの効果的な活用によって生徒の力を最大限に引き出すことも可能にし、DX化に対応するものとなっています。
もう一つの建学の精神である「情操陶冶」は非認知能力の育成と言い換えられます。本校では、グローバル化に対応すべく、「未来型グローバルリーダーシップの女性育成」に向けて、学年ごとに年間の大テーマと小テーマを設定し、個別最適な学びから協働的な学びにつながる様々な活動を通じて、グローバル社会にたくましく生きていけるコンピテンシーが身につく教育を実践しています。これは、学院の教育ミッションとしての価値基準である3C(Communication、Consideration、Commitment)に直結し、「『他者を尊重しつつ、主体的・能動的に自らの人生を切り拓く』ことができる人間を世界に送り出すこと」に相通じるものです。
本校は100周年後の"あるべき姿"を見つめています。そして、本質を見極められる力の育成をテーマに、約1世紀に亘る歴史と伝統を継承しつつ、予測不可能な未来社会で若人が幸福な人生を生きるための未来を切り拓ける新しい学校文化を創造して参ります。