校長ブログ
知りたい気持ちを大切に
2023.04.05
グローバル教育
4月5日
視野を広げるには、可能な限りの情報を収集し、整理することが第一歩ですが、そのためにはどうすればよいですかという質問を受けることがよくあります。
情報収集の方法として、インターネットで調べたいものを検索するだけでは背景知識を強化するには不十分。確かに、ネットの環境さえあればどこでも情報を集めることはできますが、キーワードに関する情報しか調べないのでは骨太の実力はつきません。大切なのは、未知の情報にどれだけ気づけるか、つまり、情報収集の幅を広げることができるかなのです。
そのためには、ネットであれ、紙であれ、新聞を開いてどんなニュースが話題になっているか眺める習慣をつけることが第一歩。そして、自分の頭で整理し、時代のトレンドを映すキーワードを知ることができればそれだけで大きな背景知識となります。多角的にものごとを捉え、考える姿勢を養うには、固定観念や先入観から抜け出す努力が大切なのです。
見聞を広げるために留学することもよい試みです。ジャーナリストの増田ユリヤさんは、高校で社会科の講師をしていた頃、2001年9月の同時多発テロ後の衝撃が残る米国を見たいとの思いから37歳にして初めて海外に出られ、それが海外取材を始めるスタートラインになったそうです。教訓として、言葉以上に、文化や宗教の壁を越えることの方が難しく、こうした経験は現地に行かないとできないもの。だからこそ、失敗の蓄積から現地の人々の感情や周囲への配慮を学び、新たに「知りたい」という関心が生まれることが大切と説かれています。
パックンで知られるパトリック・ハーラン氏は、ハーバード大学を卒業して得た財産の一つが仲間とのつながりになったと述べられています。大学時代、海外で学んだり、活動したりするという機会には恵まれなかったものの、クラブやスポーツなどの活動を通じて世界中に仲間ができ、交流を続けているそうです。大学卒業後は、友人から声をかけてもらい来日。日本での生活が米国よりも長くなった今、仲間は人生を変える存在でもあると感じられています。現在の大学生に対し、例え、活動は小さくても問題意識を持って行動し、情熱を傾けて取り組んだ分だけ、仲間とのつながりも深まると思うとおっしゃっています。