校長ブログ
スポーツを通じた地域振興
2023.03.07
トレンド情報
3月7日
最近、スポーツを地域振興につなげようとする活動が広がっています。例えば、サッカーで観客動員力が高いガンバ大阪は、顧客データを分析することによって地域に密着するイベントを開催、動員増を実現しています。Jリーグ入りを果たす奈良クラブとFC大阪も、地元と連携した活動を展開、集客を促す取り組みに力を入れています。
日本フットボールリーグの奈良クラブは、地元の農園の協力の下、「奈良クラブ農園」を開き、米作りに取り組んでいます。選手たちは地域の人やサポーターと一緒に、田植えや稲刈り作業に参加しています。また、街おこし企画である「奈良県39市町村応援プロジェクト」では、針葉樹の苗植えを手伝ったり、金魚養殖で有名な大和郡山市では「全国金魚すくい選手権大会」に出場するなど、様々な活動を行なっています。同クラブは、今季、8年目にして初優勝し、J3に昇格が決まりました。スポーツを通じて、皆の気持ちが一つになることで街全体が盛り上がる好個の事例となっています。
J3への昇格を果たしたFC大阪は、街が丸ごとスタジアムというイメージを定着させることを目途に、クーポン券「地域還元チケット」を配布しています。また、脱炭素にも積極的に取り組み、試合や組織運営に伴うCO2の排出量を算出、削減計画を公表しています。さらに、パリ協定に基づく「科学と整合する温暖化ガス削減目標」の認証も取得されています。
昨年、リーグ戦の平均観客数が最多のガンバ大阪は、約26万人分のデータを分析し、来場頻度の多い層とそうでない層を分類、新規のファミリー層の開拓に向けて、「ミニSL乗車会」や「ミニ動物園」を開き、地域密着のイベントを開催し、動員増につなげています。
京都サンガは、相手サポーターを周辺地域への観光を促す「アウェーツーリズム」に取り組み、月刊フリーペーパー「サンガタイムズ」ではホームタウンの名産品や催しを紹介しています。実際、京都市からの観客比率は高いものの、三年前に竣工した亀岡市のスタジアムを京都北部への玄関口として位置づけ、「TEAM京都コンソーシアム」を結成、府全域の活性化につなげていくそうです。
ヴィッセル神戸は、スタジアムで試合を楽しんでもらうことでサポーターになってもらうことを目途に、自治体の協力を得て、「市民応援デー」を開催しています。チケットは通常より割安にし、小中学生は無料とする募集を行なっています。スポーツを通じた地域振興から学ぶ点が多いのは事実です。