校長ブログ
Z世代
2023.02.15
トレンド情報
2月15日
Z世代とは、米国の「ジェネレーションZ」から来たもので、1996~2014年に生まれた人のこと。実年齢でいうと26歳以下の若い世代です。米国では、1977~95年をY世代、1965~76年をX世代、1945~64年をベビーブーマー世代と位置づけています。
今や、SNSや投稿サイトなど、誰もがウェブで情報発信できる時代ですが、今回は感性豊かな女子高生によるウェブマガジンであるEMMARY(エマリー)を例にしてZ世代について考えてみます。
EMMARYのSNSフォロワー総数は約57万人で発信力はかなりのもの。企画・編集の段階では大人のスタッフが加わりますが、基本的には取材から執筆までを10代がこなし、芸能記事や新商品の広報から高校生が進路選択に参考にできること、さらには、探究学習に役立つ社会課題までつっこんでいることが特記事項。ファッション誌や女性誌と言えば、ふつう、経験を積んだ編集者の仕事というこれまでの常識を覆すレベルです。
1年半近く編集長を務めたのは19歳の女子高校生。高2の時からコスメやファッションブランドの情報をSNSで発信していたものの、ありのままの自分が表現できず、ジレンマに陥っていたそうです。中学時代は友達の輪に入れない時期もあったようですが、高1で芸能界にチャレンジ、高2で編集長として自分の考えを伝え、同世代の女性の挑戦を応援したいという目標ができたと述べられています。
編集長として、女子高生のライター約70人と面談し、個々の性格や得意分野を把握、社会経験の少ない高校生だからこそ、大人が質問をしづらいことを自由に質問できるという強みに気づきます。情報収集に関して、ツイッターでは話題の言葉を常に確認したり、ネットのニュースを活用し、関心が集まっていない話題に目を向けたり、テレビでコメンテーターが司会から発言を求められれば一緒に考え、答を口に出すようにするなど、様々な努力をされています。大学に進学してからも編集長を経験したことが大きな財産になったというのがご本人の弁。同世代の思いを言葉にする中、インスタグラムで感想を聞いているうちに、新たな発想が湧いてくるというサイクルができあがり、将来は自らの媒体を立ち上げたいという夢につなげています。
日本は高度経済成長とともに、大量消費社会が誕生しましたが、デジタル化の到来で個人消費が細分化され、たとえヒット商品を生み出しても持続させるのが難しくなってきました。少子化で人口が減る中、コストパフォーマンス志向は強まり、多様化が進み、結果、日本の社会や経済は明らかな行き詰まりを見せ、閉塞感が漂っています。だからこそ、Z世代には、これまでひとくくりに考えてこられたステレオタイプを打ち破り、環境や人に優しい社会を作り上げることに寄与してほしいと思うのです。