校長ブログ
気候変動に強い国づくり
2023.02.23
トレンド情報
2月23日
様々な研究調査で、大気中の温暖化ガス濃度が記録的な水準に達したため、2022年までの8年間が最も暖かかったことが分かったそうです。平均気温は、産業革命以前の気温を1.2度ほど上回り、地球温暖化対策の「パリ協定」で国際社会が抑制目標とする1.5度に迫っているとのこと。
WMO(世界気象機関)は、13~22年の平均気温が11~20年から0.05度上昇しており、長期に亘る温暖化の継続を示唆しています。EU(欧州連合)のコペルニクス気候変動サービスによると、過去8年間は1991~2020年の平均を0.3度上回り、産業革命期の1850~1900年に比べ、約1.2度高いとのこと。これまでに最も暑かったのが2016年であり、20年、19年、17年と続き、昨年は過去5番目です。
しかし、大気中の温暖化ガスは過去最高を記録しています。地球温暖化を引き起こすCO2の濃度は約2.1ppm(ppmは100万分の1)上昇して417ppm、メタンは約12ppb(ppbは10億分の1)高い1,894ppbを記録。これは観測史上最高であり、CO2は200万年以上ぶり、メタンは80万年以上ぶりの高濃度だそうです。
欧州は史上2番目に暖かい年となり、フランス、スペイン、イタリア、英国などでは過去最高となっています。乾燥や雨不足から干ばつが続き、フランスとスペインでは大規模な森林火災が発生しています。このように、世界各地で異常気象が観測されているのです。春にパキスタンやインド北部、夏に中国中東部を熱波が遅い、米国でも巨大ハリケーンが多くの被害を出しました。
現状では、温暖化ガス濃度の上昇する勢いは弱まる気配がなく、今後、気温上昇の可能性が濃厚である以上、気候変動が減速することは考えにくいことです。結果、世界の平均気温も高くなり、海面上昇が続き、島国や大陸沿岸の住民を脅かします。気候危機に強い国づくりが老若男女を問わず、今日的課題であることは疑う余地がないのです。