校長ブログ
共通テスト勉強会
2023.02.03
カリキュラム・マネジメント
2月3日
大学入学共通テストが終わり、その分析と平常授業へのフィードバックという意味で、今年から5教科すべての先生方には、実際の問題を解いていただき、勉強会を通じて、情報共有することにしました。背景にあるのは、「高校での授業改善のメッセージ性を考慮し、学習の過程を意識した場面設定を重視する」という大学入試センターの作成方針への対応です。
内容的には、各自で解いた問題の印象を含め、様々な情報を共有した上で、良問については、「今年の共テこの1問」と題して解法を発表してもらい、その後、人文系、理数系部門に分かれて意見交換するという流れです。
今回の共通テストを振り返ると、思考力を問う傾向は変わらず、文章だけでなく、資料の活用、図表の読み解き、生徒と教員の対話場面から多角的に考えさせるものが目立ちました。新学習指導要領を踏まえた授業改善を強く意識させられる出題であったことは自明です。
国語には終戦直後の東京を描いた小説について、当時の雑誌広告と関連づけて本文の理解を問う問題、古文には教員と生徒が話し合いながら和歌の表現の理解を深める問題がありました。日本史Bには1938年の修学旅行の行程表やメモを題材にした問題、世界史Bには女性参政権が広がった歴史や東南アジアの植民地の輸出データについて、教員と生徒がやりとりをする形式の問題等が散見されました。英語は「校外活動で鑑賞する演劇」「靴の広告」など、学校や日常生活に関するものが多く、実用的な英語力を問う傾向が定着しています。数学Ⅰ・Aは計算の負担が軽くなり、前年よりやや易しくなったというのが受験生の感想です。情報量が多く、実験や観察を題材に考察させる問題を盛り込んだ生物の平均点が前身のセンター試験を通じて過去最低、物理との得点差が20点以上あり、得点調整が行われます。
生徒たちはページを往復し、複数の文章から情報を引き出す問題については苦労したと述懐し、先生方も文章や資料を含む問題の読み解きに時間や処理能力の必要性を実感したとのこと。大学新テストの傾向をおさえ、時代が求める受験指導ができるような取り組みにしていきたいと思います。