校長ブログ
中学入試、大学入学共通テスト
2023.01.16
入試情報
1月16日
近畿2府4県では14日から私立中学入試が一斉にスタートしました。
14日の午前入試では、一般方式、自己アピール方式、英語重視方式の3種類の入試を実施しました。一般方式は教科選択可、最多で3科目(国語、算数、英語)まで受験できます。自己アピール方式と英語重視方式は12月にエントリーし、「認定」された児童のみの受験であり、作文と面接になっています。作文は日本語ですが、英語重視方式では英語での解答も可としています。午後入試は上記の一般方式での受験になります。入試は15、16日と続きます。頑張る受験生にエールを送ります。
一方、14~15日、大学入学共通テストが実施されました。1990年に始まった大学入試センター試験に続き、共通テストは2021年度に導入され、今年で3度目を向かえます。過去最多の870校の大学・短大が共通テストを利用しています。
思考力を測ることを目的に作られた共通テストですが、センター試験より問題量が多く、資料や図表から情報を読み取るのに時間がかかるため、情報処理力が明暗を分けるものとなっています。
受験生の動向を見ていると、私大にシフトする動きも出始めています。共通テストへの出願率は前年とあまり変わらないものの、過去最高の更新が続く大学・短大進学率と比べると、伸び悩んでいます。背景には、学力テストを課さない入試、つまり、面接や小論文で評価する総合型と高校の推薦に基づく学校推薦型を合わせると5割を超えるという現実があります。
2025年にはプログラミング等を扱う「情報1」が新設される他、国語の問題構成や地理歴史の科目も大きく見直されるとのこと。歴史的に見れば、知識偏重といった指摘を踏まえ、中教審は「思考力・判断力・表現力」を評価する新たなテスト導入を方向づけました。しかし、現実的には、国語と数学での記述式問題の導入や英語での民間試験の活用は公平性などを巡る諸問題で見送りになったのは記憶に新しいところです。
共通テストは、教科書の丸暗記ではなく、「主体的・対話的で深い学び」への転換が期待されていますが、共通テスト離れが進むと導入の意義が揺らぎかねません。見直しに向けて、混乱を招かないよう丁寧な説明が求められるのは至極当然なことなのです。