校長ブログ
桁を表す接頭語
2023.01.03
教科研究
1月3日
ギガ(10億)やマイクロ(100万分の1)という言葉を聞いたことがあるはずです。これは大きな数や小さな数を伝える際、単位と合わせて桁を表す接頭語のこと。昨年11月に約30年ぶりに新たに4つが加わりました。
ITの発展で、データ量のケタ数が伸び、新たな接頭語を必要とする時代になったのです。追加された接頭語はクエタ、ロナ、ロント、クエクト。クエタは10の30乗、ロナは10の27乗であり、これまで最大であったヨタ(10の24乗)よりさらに大きく、ロントは10のマイナス27乗、クエクトは10のマイナス30乗とこれまで最小であったヨクト(10のマイナス24乗)より小さな量を扱うときに使うものです。
クエタについてのエピソードとして、従来の単位や接頭語と混同しないよう、アルファベットはqとrの2つにすることが決まっていました。また、10の30乗の接頭語としてクエカとする案もあったようですが、似た言葉があったため、クエタに修正されたとのこと。
接頭語は、大きな数や小さな数は、10を繰り返しかけ算する「べき乗」を取り入れてケタ数を縮め、簡単に表現するのが決まりです。代表的なものが10の9乗であるギガ、10のマイナス6乗であるマイクロ等々。接頭語の名称や記号を統一されており、明確な規定はないものの、ラテン語やギリシャ語の単語を参考にしているそうです。
オークリッジ国立研究所(米)などが開発したスーパーコンピューター「フロンティア」は1秒間に可能な計算回数が初めて10の18乗のエクサ(100京)台に達し、世界ランキング首位。また、レーザーの開発では2000年代から10のマイナス18乗のアト(100京分の1)秒台になり、理化学研究所が開発したアト秒レーザーは世界最高出力を記録しています。
中村亮一氏(ニッセイ基礎研究所研究理事)は、研究所のレポートで、10の100乗を表すグーゴル(googol)が米国のグーグル社の由来となったことや仏教経典には10の68乗の「無量大数」、10のマイナス24乗の「涅槃寂静」(ねはんじゃくじょう)などの数詞があることを紹介されています。時代とともにまた新しい接頭語が追加されていくのでしょうが、使えるアルファベットに限界がきているのもまた事実。どのような接頭語が出てくるか注目しておきたいものです。