校長ブログ
新コース立ち上げ特集㉞ー速読
2022.12.10
グローバル教育
12月10日
速読の秘訣と言えば、易しい文を速く読むこと、そして、目標とする速度、理解度の設定、テキストの難易度がポイントになります。速読では1分当たりに読める単語数をwpm(words per minute)で表します。英語のネイティブは、ふつう300wpm(Nuttall.C,2005)とされますが、人によって温度差もありますから200~250wpmとも言われています。
速読を実践する中、流暢な英語の読みができているかどうかを確かめるためには、wpmの測定が指標となります。日本人の場合、120~150wpmが必要と考えられています。また、100wpm(slow reading)、100~150wpm(normal reading)、150~200(faster reading)、200(rapid reading)としている事例もあります。専門家によっては数値に違いが生じますが、テキストの理解が7割程度の場合、高校生で150wpm、大学生で200wpmくらいが目標とされています。
母語話者の読む平均的な速さの指標は、単に読むのが速い、遅いではなく、内容をしっかり理解しながら読み終えるという通常のスピードのこと。wpmが速度のみを測定するなら、「wpm=総単語数÷読みの時間(秒)×60」で表せますが、ここで言う速読とは、速く読み終えるスピードを競うものではなく、内容を正確に理解しながら読み終えることを意味するものです。従って、その場合、「(総単語数÷読みの時間×60)×(正解数÷問題数)」が妥当と考えられています。(正解数とは、複数の選択肢を提示し、その中からあてはまるものを選択してもらう多肢選択式テストのこと。
速読とは、学習者が一語一語の意味を自動的に検索処理(ディコーディング処理)することで実現されるもの。それを上達させるためには、文字の認識処理や文法・構文の解析処理の速度をあげることが求められます。単語から句、節へと語句が長くなっても一度にどれだけの範囲の文字を読み取れるのか、つまり、処理できる語を広げられるかが速度向上の最大のポイント。そして、それが母語話者に近い読みのパフォーマンスにつながる第一歩なのです。