校長ブログ

変容する大学入試②

2022.11.16 大学進学研究
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 少子化に伴い、国立大学も私立大同様、入試日程を前倒し、受験生を早期に確保する傾向が顕著になっています。文科省によると、2023年度の国公立大の定員のうち、総合型選抜と学校推薦型選抜の割合が全体の22.5%となり、過去最多とのこと。この2つのタイプの入試は年内実施であり、年が明けて実施させる一般入試よりも早く合否判定されます。

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  総合型選抜は、旧AO(アドミッション・オフィス)にあたるもので、面接や小論文などを組み合わせた試験が行われます。名称がAOから総合型選抜に変わったのが2021年、学力評価も付け加えるというものになりました。一方、学校推薦型は、高校からの推薦に基づき、調査書を中心に合否判定されます。

 国公立大の2023年度入試に関する要項(2022.7)のまとめによると、総合型を実施するのが全体の約58%にあたる104大学、学校推薦型を実施そるのが約97%にあたる172大学であり、前年より2大学ずつ増えています。

 定員全体は約12万8,000名であり、占める比率は総合型が前年比0.2ポイント増の6.0%、学校推薦型が前年比0.3ポイント増の16.5%、合わせて22.5%となっています。この数字は10年前の2013年度と比べると4.6ポイント増加し、過去最高になった模様。結果、2023年度の一般選抜の後期の定員は全体の12.5%で、10年前と比べると3..2ポイント減ったようです。

 総合型・学校推薦型は912月に実施され、年内入試ですが、近年では私立大でも導入が進んでいます。昨年、総合型での入学者割合は14.7%、学校推薦での割合は43.5%であり、国公私大全体の入学者が初めて半数を超えました。

 国公立大学へ進学する場合、1月第3週土曜日から日曜日にかけて大学入試共通テストがあり、その後、2月の前期・中期、3月の後期となります。しかし、国公立は一般選抜の割合が高いものの、近年は総合型・学校推薦型の募集人員が増えており、多様な選抜方法の導入が進んでいます。

 いずれにせよ、国公立・私立大の年内入試は一点刻みのペーパーテストとは異なり、思考力や意欲を多面的に評価できる一方、学力不足を課題にしている大学もあります。本校では、本質を見極められる力の育成に向けて、たゆまぬ研鑽を積み、骨太の教育を展開していきます。