校長ブログ

コロナ禍での学びの変化

2022.11.30 カリキュラム・マネジメント
11月30

 コロナ禍における大学での学習や学生生活で起きた変化に関する調査結果がベネッセ教育総合研究所によってまとめられています。Afterコロナを見据えて、新たな教育のあり方をデザインしなければならないのはあらゆる教育機関の共通課題です。

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 大学生約4,000人を対象に実施された「第4回大学生の学習・生活実態調査」(2021.12)によると、遠隔授業で課題を出す割合が増えているにもかかわらず、授業時間外の学習はほとんど増えていないという結果になっています。

 調査メンバーである山田剛史氏(関西大学教授)は、1週間で予復習や課題に費やした時間は、5年前と比べると、若干(1日にすると7分弱)増加したものの、対面授業や総学習時間の減少も踏まえると、単位制度の実質化と学習時間の確保が必要と述べられています。また、単位取得が目的化しており、楽に単位をとれる授業がよいと思う学生が増えて現状から高校までに主体的に学ぶ姿勢が身についておらず、結果、アクティブラーニング型の授業と逆行していることなども指摘されています。

 対面授業と遠隔授業における充実度や成長実感、満足度を比較すると7対3。遠隔授業は、好きな場所、自分のペースで学習できるといった利便性に対する評価が高い一方、モチベーションや集中度といった学びの質や興味・関心に関する評価は高くありません。大学教育が検討すべき方向性として、質保証に向けた教学マネジメントの下、効果的な遠隔授業のデザインと実践に加え、対面授業の見直しを主張されています。

 それは中高現場においても同様。現高1から学習指導要領が改定され、高大接続を見据えて、社会のリアルな諸問題に対する最適解の探究に向けて、グループワークや討論といった協働的な学びが実践されています。(勿論、現高23も旧カリキュラムの中、工夫しながら探究学習は進めています)

 本校においては、カリキュラム・マネジメントの下、「学びの保障」に向けて、対面授業とオンライン同期・非同期型学習による個別最適な学び、最適解を求める探究学習による協働的な学びをミックスさせた教育を実践しています。そして、生徒のアイデンティティー、レジリエンス(回復力)、進路満足度といった成長指標を明確にしつつ、内発的動機の向上を通じて様々なスキルを身につけていただき、学校から社会へスムーズに移行するようサポートをしていきたいと思います。