校長ブログ
新コース立ち上げ特集㉖-語の固定観念
2022.10.15
グローバル教育
10月15日
ニューヨーク大学とメタのチームが約30億ページのサイトにおける6,300億以上ものデータの中からpeopleやpersonといった語がどのように受け止められているか調査しています。
エープリル・ベイリー博士(ニューヨーク大学)は、peopleやpersonという語はmenに近く、人の概念に女性と男性の両方が含まれることが重要であると述べられています。
同チームでは、リンカーン元大統領の有名な一節であるGovernment of the people, by the people, and for the people...(人民の、人民による、人民のための政治)を解釈する場合でもpeople→男性のイメージが強すぎると不公平が生じかねないと考究しています。
また、英語の代名詞 he には、人類の意味で使われたり、性別のわからない人を指したりする場合がありますが、そのようなことが語の概念を取り違える要因になるとも考えられています。結果、自動翻訳ソフトなどが人を男性と学習してしまうと性差別につながる問題が発生、社会に混乱をもたらす危険性があると指摘しています。同時に、初めて言葉を学ぶ赤ちゃんに不正確な認識を与えてしまうのと同義ともみなされています。
リトアニアのインガ・ポポバイテ博士(カウナス工科大学)は、ユタ州にある火星基地を模した施設の女性司令官の報告277件と男性の541件を分析、女性は肯定的な発言をして同僚を励ますなど、ストレスがたまる長期の宇宙探査のような仕事では男性以上にリーダーシップを発揮できるかもしれないと言及しています。歴史をひもとけば、 1960~70年代のアポロ計画では12名全員が男性でした。これまで宇宙に行った女性飛行士が11%という史実を見ると、リフレクトしなければならない点が浮き彫りになってきます。
地球に暮らす人類は男女が半々。均衡が崩れれば偏った見方に陥ってしまうかもしれません。しかし、科学の力を借りることによって、男女の違いに配慮できるようになれば、人が地球上で暮らす意味に還元できるはずです。