校長ブログ

オンライン生涯教育

2022.10.21 EdTech教育
10月21

 MITの宮川繁教授は、仕事のオートメーション化が進み、新たな職業創出が想定される中、オンラインによる生涯学習が必要であることを説いておられます。

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 現代の子供たちの65%が存在しない仕事に就くと言われる時代です。そこで求められるのは、時の要請に応えられるスキル。そのためには、当然、学び方の変革も問われます。

 OECDによると、大学卒業者数は増加の一途をたどり、3分の1にあたる2534歳の人がオンラインを活用して履修しているとのこと。日本でもオンライン授業で学位が取れる大学や通信制高校が増加し、リカレント教育を推進する向きもあります。

 オンライン教育は非同期型、つまり、場所や時間を自己調整しながら取り組めるのが強みです。歴史的に見れば、2001年のMITのオープンコースウエア(OCW)がその先駆けです。コースは2,600を超え、月にアクセスする数は約200万人、さらにユーチューブを定期的に視聴している人が180万人、合計すると、3億人を超えるというから驚きです。 

 OCWに続いて、大規模公開オンライン講座であるMOOCが登場します。ムークはビデオ講義を中心に、さまざまな分野を学ぶことが可能で、到達度テストも備わっているため、まさに、本校が取り組んでいるEdTech教材を活用した個別最適化学習(アダプティブ・ラーニング)と重なります。修了書には特別の認定(マイクロクレデンシャル)が与えられるので、ビジネスで使うSNSの自分のアカウントに載せることができます。ちなみに、2021年には世界で22千万人が950大学が提供する19400のムーク講座を学んでいます。 

 MITでは分野によって1年のマスターコースを用意し、それもその半分をムークで受講、半年で学位が取得できるプログラム(マイクロ・マスタース)を提供しています。さらに、「デジタル・ユニバーシティー」において、ハイレベルなイノベーションを進める企業と比べて、教育界ははそれに呼応する動きがまるで見られない点を指摘しています。

 その意味で、生涯教育の出発点とも言える大学にて、オンライン講座を盛り込んだハイブリッド型教育を展開し、ビッグデータをAIで解析して学習の向上を促すイノベーションを模索する姿勢は、中高現場においても見習わなければならないことなのです。