校長ブログ

探究学習に向けてー消費破壊を例にしてー

2022.09.16 教科研究
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 少子化に伴い、「消費破壊」が進んでいます。昨年、婚姻数は過去最低を更新し続け、内閣府の「20代の独身男性の約4割がデート経験なし」というデータにも恋愛・結婚離れが読み取れます。

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 少子高齢化に伴う人口減によって、国内需要は縮小の一途。生産年齢人口(1564歳)は90年代半ばがピークでしたが、それが日本経済の曲がり角。出生率の低下は止まるところを知らず、女性が生涯に生む子供の数を表す合計特殊出生率1.30は6年連続下降線をたどり、出生数は約81万人と過去最少になっています。

 少子化は高齢化と同義。「消費破壊」に対応すべく企業も創意工夫しています。例えば、セブンイレブン・ジャパンは、時代に応じて販売戦略を見直し、健康・プレミアム志向を打ち出し、GDP(国内総生産)の約6割を占める成長を遂げています。

 市場が縮小している以上、価格を下げるだけでは本質的なソリューションにはなりません。マーケットを調査し、新たなニーズを探り出す努力が必須。消費者の動向を分析し、課題を発見、解決策を提供する手法は探究学習そのものです。

 また、難局に対応すべく企業同士の連携は「協働的な学び」を想起させてくれます。例えば、玩具メーカーで有名なバンダイナムコとタカラトミーが提携し、両社の人気キャラクターをコラボ商品として売り出すという企画がその典型。

 少子化で子供が減る以上、玩具だけでは先行き厳しくなることは自明です。タカラトミーは「遊び」を切り口にしたビジネスへの転換を図り、デジタル+トイ(玩具)+エンタメで「デジトイメント」というコンセプトを打ち出し、両親の声をAIで合成して絵本などを読み聞かせる玩具などを商品化しています。 

 企業の努力は特筆すべきものです。赤ちゃん本舗は、商品・サービスを深掘りしてニーズを探すことを重視、アプリを通じて週単位できめ細かなアドバイスを発信、新たなベビーテックを胎動しています。花王は紙おむつを売るだけでなく、子育てプラットフォーム事業へ進出、ママネットワークを通じて、様々なビジネスモデルづくりに取り組んでいます。おむつでいえば、いずれ、乳児だけでなく、高齢者を対象としたビジネスも視野に入ってくることが想定されます。

 明石市の子育て支援のような人口減少を抑える政策拡充も重要です。同時に、2022年から人口減に転じる中国などの海外市場にも少子化モデルの展開を考えていかなければなりません。グローバル社会で生き残っていくためには、まさに探究が求められているのです。