校長ブログ

新コース立ち上げ特集㉒-サマリーライティング

2022.09.17 グローバル教育
9月17

 サマリーライティングとは、要約をまとめること。英語の授業では、リーディングの後、テキストの英文を理解しているかどうか確認するため、よく概要を書き取る作業をします。経験を積んだ生徒諸君も多いはずです。(post-reading活動と言います) 

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 サマリーライティング自体、テキストの本文をすべて書き取るのではなく、ポイントとなるところだけをまとめるタスクなので、目的に応じた分析ができるようになり、リーディングの「質」が向上するのがメリット。また、やり方によってはより英語の使用場面に近いインタラクティブな活動に発展させることも期待できます。

 実際の授業では、リーディングとサマリーライティングを統合してグループ活動を行い、生徒同士でチェックしあうというケースを見かけます。その場合、生徒に発問内容と形式のサンプルを提示しておくと比較的スムーズな展開となります。しかし、その際、true or false ばかりでなく、自由英作を組み込むよう配慮が必要。いずれにせよ、学習者中心の授業を心がけたいものです。(状況によっては、教師が全体に向かって発問する場合もあります)  

 英文のジャンルで言えば、特に評論文の場合、one paragraph one ideaを念頭に置き、論理接続を表す語からどのような文脈になっているのかを意識したリーディングを行った上で、筆者の主張を1文でまとめ、その具体説明や因果関係を記述できるようになる必要があります。(段階的にです)

 サマリー作成において、多くの生徒が本文の英語をそのまま使用しますが、到達度が上がるにつれて、main ideaはなるべく自分の言葉で表現したいもの。そのためには同意語へ書き換えたり、品詞転換する(paraphrasing)、語を削除し、簡略化する(simplifying)、複雑な文を二文に分ける(decomposing)、複数の文を一文にまとめる(compounding)、専門的で難しい表現は一般化する(generalizing)、補足説明し、文意を明確にする(elaborating)などのスキルを身につけ、4技能のバランスのとれたコミュニケーション力に直結させたいものです。