校長ブログ
大学の就活早期化
2022.09.08
トレンド情報
9月8日
最近の大学生は、春学期からインターンシップ(就業体験)の合同説明会に参加して業界研究を進めるなど、就活を早めているようです。「就職白書2022」(リクルート)によれば、23年卒向けのインターン実施率は7割を超えており、職場見学や体験ができるプログラムへ希望者も増えているとのこと。(コロナ禍の中、オンラインと対面併用のハイブリッド型が多いのですが...)
今や、夏のインターンシップが採用選考の前哨戦として定着した感がありますが、すでに3年生から就活準備を始める学生もいます。大学の中には、学生にインターン理解を促す取り組みやイベントを早い段階から開催する動きも出てきています。
背景にあるのは、ミスマッチを回避するだけでなく、自分が何をしたいのかわからない、職業選択に迷っているという声があることは容易に想像がつきます。実態として、現実的な仕事内容や会社の雰囲気を理解することによって、若者が将来像をイメージするには一定の効果があるようです。
優秀な学生獲得に向けて、企業側もジョブ型のインターンを開くなど、工夫を重ねています。学部によっては大学での課題が多かったり、アルバイトの関係ですべての学生が3年から就職活動に臨めるわけではありませんが、ディスコの調査によれば、早い段階からイベントに参加する意思を表明している割合が増えています。
政府は、一定の条件つきで、2025年春に大学(院)を卒業する学生から企業がインターンで取得した情報を採用活動に利用することを認める姿勢を示しています。しかし、谷出正直氏(採用コンサルタント)は、全体の約8割が1日しか体験していないこと、また、政府は企業に対し、学生が職場や仕事を理解する場としてのインターンを求めているにもかかわらず、早期の人材獲得を目指す会社側の思惑と温度差があることを指摘しています。
夏のインターンは多くの学生にとって就職活動の入り口になることは疑う余地はありませんが、内定に直結する場として捉えている企業はそれほど多くないようです。いずれにせよ、大切なのは、自分が何を学びたいかをイメージしておくこと。同時に、与えられた課題に対してどう取り組むのか、チームメンバーとどんなコミュニケーションを取るのかという姿勢です。進路はあくまで自分で決めるものであることを忘れないでほしいと思います。