校長ブログ

シェア図書館

2022.08.31 トレンド情報
8月31日 

 「シェア図書館」が全国的な広がりを見せ、約30カ所に開設されています。これは有料で書棚のオーナーを募り、本を貸し出すというもの。当然、選ばれる本は、オーナーの好みが反映されるので、それぞれが個性豊かなものになります。同時に、空き店舗の改装やカフェを併設することもあるので、地域に開かれた空間にもなっているのです。

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 シェア図書館のルーツは、静岡県焼津市の「みんなの図書館さんかく」。本を自由に閲覧・貸し借りできる私設図書館「まちライブラリー」がヒントだったようです。地域交流や住民参画を推進し、代表を務める土肥潤也氏が、図書館の運営費用を捻出するために、月2,000円の「一箱本棚オーナー制」を考案したのが始まり。書棚は埋まり、キャンセル待ちが出るほどだそうです。

 大阪市にあるまちライブラリー(一般社団法人)の代表理事である礒井純充氏もそのような取り組みに触発された一人。現在、長野県茅野市にある「まちライブラリー@My Book Station茅野駅」内にシェア図書館を設けています。

 シェア図書館は、人が集い、交流を促進するのでコミュニティーの発展につながる可能性があるなど、その用途は多岐にわたります。例えば、人口減が進む商店街や空き店舗などの活用策としても期待されています。また、企業の注目度も高いようです。静岡県の沼津信用金庫は、JRの駅近くの支店を改装し、起業家拠点の一部を「みんなの図書館さんかく沼津」に提供しています。

 兵庫県豊岡市の「だいかい文庫」は、孤独や孤立への対処という役割を担うもの。ここは、守本陽一さんという医師が地域の高齢者や障害者など、誰でも来られる居場所をつくりたいという願いから創られました。健康関連の本が充実しているだけでなく、カフェも併設、健康に関わる悩みなどを聞く相談会も開かれています。

 全国にあるシェア図書館のネットワークは発展・拡大しています。東京・大手町にあるビジネス交流拠点「3×3Lab Future」では、全国に1,000人以上いる館長による推薦する本を並べた本棚を設け、定期的な交流会を開催。同館長は、相互交流による企画を考えておられるようです。「開かれた地域づくり」は「開かれた学校づくり」に参考になる事例です。