校長ブログ

新コース立ち上げ特集⑲-スキャニングとスキミング

2022.08.13 グローバル教育
8月13

 外国語として英語を学ぶ者にとって、英文が長くなれはなるほど読むのに苦労するものです。今回は、効率的な読み方ができるようになるために、スキャニング(scanning)とスキミング(skimming)という手法を紹介します。

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 スキャニングとは、特定の情報を見つけるために、拾い読みする方法です。scanとは「詳しく調べる→必要な情報を抜き取る→拾い読みする」ということです。具体的には、5W1HWhen、Where、Who、What、Why、How)が問われている時に有効です。リーディングのテストで言えば、内容真偽問題、つまり、「本文の内容と合致しているものを選びなさい」というような設問に役立ちます。この場合、本文から設問に対応する情報を探す必要があるわけですから、先に設問に目を通すのが基本姿勢。そして、ポイントとなるキーワードや頻度を表す語をおさえた上で、探すべき情報と対応する箇所を本文から見つけるという手順です。その意味で、スキャニングが有効な場面とは、探す必要のある情報は何かを具体的に特定する時と言えます。

 一方、スキミングとは、文全体の意味をつかむために、斜め読みして素早く大意をつかむ読み方です。skimとは「すくい取る→ざっと全体を読み、概要がわかる→斜め読みする」ということ。つまり、要点をすくい取るようにして読むことを言います。スキャニングとの違いは、5WHのような細かな情報ではなく、文章全体の大意をつかみ、要約するときなどに有効性を発揮します。

 英語の評論文の基本構造は、One Paragraph One Idea、つまり、筆者の主張は1つの段落に1つ書かれています。この原則は頭ではわかっているものの、実際の読解となると、文のつながりに翻弄されやすく、問題を解く段になるとなんども読み直さなければならないといったことは誰もが経験していることでしょう。ちなみに、評論文では、第1パラグラフと最終パラグラフにポイントが書かれている場合が多く、各パラグラフの第1文をつなぐと大筋が見えてくるのも事実です。