校長ブログ

NZグローバル・インパクト・ビザ

2022.08.04 トレンド情報
8月4日

 ニュージーランド(NZ)では、社会や環境問題に変革をもたらす事業や人材獲得に向けて、外国人起業家に在留許可を出す試みが進められています。

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 これは、約400名に3年間の在留許可と永住権の申請権利を与え、民間財団や金融機関、大学などと協働する事業をバックアップしようとするもの。AIIT分野を中心に、国内で不足する人材を補うだけでなく、コロナ禍からの回復や少子高齢化を見据えてグローバル的視野で展開する取り組みとなっていますが、日本は遅れているようです。

 NZ移民局は社会変革を見据えて、2017年から「グローバル・インパクト・ビザ」を試験運用しました。運用期間では、次世代農業、宇宙産業、ウェルビーイング(心身の健康や幸福)、教育格差是正など、8分野を軸に事業計画を募り、移民局と連携した民間団体の審査に合格した起業家や投資家に3年間の就労ビザを与えることになっています。期間は今年度末までであり、政府はその後、制度を正式に導入するかどうか見極めるとのこと。広報担当者は、国内だけでは生まれない技術やネットワークを蓄積し、雇用も見込めると話しています。

 この取り組みは15年ほど前からスタートしています。その時代から農産物や乳製品の輸出、観光業に続くものをITと定め、資金調達しやすい環境整備を進めています。結果、2020年度には世界銀行における起業のしやすさでは世界トップとなりました。

 条件として、英語コミュニケーション力と36NZドル(約300万円)の資金などが必要ですが、チームとしての申請も可能であり、3年後に永住権を申請することができます。参加者はプログラムに参加し、助言などを受けるだけでなく、地元金融機関や大学との協業や、技術開発の補助金などの支援を得られます。 

 すでに150名以上がこの制度を利用しています。日本からはAI学習を進める渡辺賢智氏(白ヤギコーポレーション代表)などが名を連ねています。同氏は2020年に移住し、AIを活用した交通安全システムの研究プロジェクトを進めています。ハイレベルの起業家層を誘致する動きは今やトレンドとなっており、欧州や南米を中心に約20カ国が導入しています。