校長ブログ

再生可能エネルギー

2022.07.19 トレンド情報
7月19日

 政府は2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにするという目標を設定しています。地球温暖化の原因とされる温暖化ガスには二酸化炭素、メタン、フロン等がありますが、目標実現に向けては、「パリ協定」に見られるように、規制改革と技術革新で温暖化ガスを排出しない、さらに、排出した分も減らす社会基盤を作らなければなりません。

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 全体としては、産業・運輸・生活において、化石燃料から脱却、電化する方向性であり、そのためにエネルギー源となる電力部門は石炭火力への依存をやめ、再生エネルギーの比率を高めるというストーリー。構造転換は、通常、時間を要するものですが、注目されるのが世界をリードしてきた自動車産業です。ちなみに、自動車の電動化などで電力需要が3050%膨らむと想定すると、再生可能エネルギーの比率は今の3倍の5060%に高まるという目安が示されています。

 自動車産業では、多くの国がEV(電気自動車)や環境対策車に切り替える路線を打ち出しています。EUEVの普及を推進していますが、そのためには車両を動かす大容量電池や高性能のモーターの開発が必要であり、燃料電池車なら燃料となる水素を充てんする施設を作らなければなりません。歴史的に見れば、20世紀、アメリカで「T型フォード」と呼ばれる自動車が登場、輸送手段の中心となり、日常生活は大きな変化を遂げました。近年の温暖化ガスの排出を減らす取り組みも再生可能エネルギーを活用した発電や鉄鋼など、新たな成長戦略の可能性が期待できます。

 しかし、約3万点の部品で構成されている現在の自動車に対し、EVは部品数が半減するため、中小部品メーカーにとってはダメージとなります。(政府は「中小サプライヤーの事業転換支援」も掲げています)その他、再生エネルギー普及に向けて、送電インフラの増強など取り組むべき課題もあります。探究学習などでは、「脱炭素社会」をキーワードに、SDGs(持続可能な開発目標)を考えていきたいものです。

[参考]オーストラリアは、2019年、「国家水素戦略」を発表、2030年をめどに「水素大国」になることを宣言、化学燃料を使わない「グリーン水素」(再生可能エネルギーを使い、水を電気分解して作る水素のこと)の量産プロジェクトを始動させています。課題は、長期に亘る供給先確保と生産性の向上。日本はじめ水素活用を目指す国は多いものの、本格的なインフラ整備はまだ進んでいないようです。