校長ブログ

働きがい

2022.07.21 トレンド情報
7月21日 

 働き方改革が推進され、2020年には1人当たりの労働時間は当初と比べると、100時間減るなど、職場の環境が改善されました。一方、仕事に達成感や充実感を求め、会社に貢献したいと考えるエンゲージメント、つまり、働きがいを見出せる社員は6割弱であり、世界最下位という結果となっています。

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 日本の企業でも社員の働きがいの向上をめざし、大切にする価値観について話し合う機会を設けたり、優れたプロジェクトを表彰したり、社員の働きがいスコアを定期的に調べたり、さまざまな工夫を凝らすことによって、組織の活性化につなげようしているようです。 

 政府が働き方改革を打ち出したのは2016年。以降、長時間労働の是正に向けて、日本企業では様々な施策を断行、改善が進んだのは周知の通りです。厚労省によれば、1人当たりの年間の実労働時間は当初より5.5%減少、2020年に1685時間になり、併せて、有給休暇取得率は7.2ポイント上昇、56.6%となり過去最高です。

 にもかかわらず、社員の方々からは働きがいの面で評価されていないのが現況なのです。エンゲージメント調査(202021、米コーン・フェリー)によれば、働きがいを感じる社員は日本が56%と、世界平均を10ポイント下回り、23カ国中、最下位であり、6年連続テールエンド。  

 就業者1万人を対象に実施した調査(20182022、パーセル総合研究所)では「仕事をしていると活力がみなぎる」「夢中になる」という項目が低迷。また、約6,300社を対象にした調査(20152021、リンクアンドモチベーション)でも「責任ややりがい」「経営陣に対する信頼」が低下しています。 

 専門家筋によれば、背景にあるのは、年功序列に見られる日本企業独自の組織運営などが社員の働きがい低迷に影響しているとのこと。同時に、現場に権限委譲が進んでいない、個人の創意工夫の範囲に限界があるなどの指摘もあります。    

 働きがいは企業の業績にも跳ね返ってきます。パーソル総研と慶応大学教授の前野隆司氏の調査(20192020)によると、仕事をすることで幸せを感じる社員が多い企業で売上高が伸びたのは約34%であるのに対し、幸せを感じる社員の少ない企業で売上高が伸びた割合は約25%。今やポイントは、企業がいかにして働き手の価値を引き出すかが生産性の改善につながるということ。いつの時代も「組織は人なり」なのです。働きがいのある組織づくりは学校づくりにもあてはまることなのです。