校長ブログ

キャンパス・ライフで身につけた経験

2022.06.29 大学進学研究
6月29

 公立はこだて未来大学の学生であった赤間悠大さんと大場みち子教授は、プロ野球全球団の2013年〜18年までの成績と捕手の守備力や打撃成績等の相関からシーズンの結果を予測できるという研究成果を発表しています。2019年のパ・リーグの順位も3位と4位が入れ替わったぐらいで、それ以外は予測が的中。野球では捕手が勝敗の""になることは周知ですが、研究成果がそのエビデンスになったとも言えます。

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 多くの大学では、学びを通じて実社会における課題を知り、その解決への道筋を考え抜くことを重視、「生きる力」につなぐ教育実践を展開しています。そして、専門分野を超えて幅広い教養を深め、世界の動きにも視野を広げていくことを目途に、リベラルアーツとグローバルに軸を置き、課題解決型学習(PBL)を行なっています。

 例えば、立教大学では、東日本大震災と被災地復興への課題を考える教育プログラムを設定、岩手県陸前高田市の人々と交流し、津波の被害による問題等について学び、成果をまとめ、情報発信しています。また、被災地の今を伝えるという意味で林業体験を実施、現在では海外から参加者も増え、輪を広げているとのこと。昭和女子大学のグローバルビジネス学部では、SDGsをテーマに、千葉県香取市、徳島県美波町、新潟県燕市を訪ね、地元の中高生と共に地域の課題や産業振興策を考え、持続可能なまちづくりに生かす取り組みをされています。

 コロナ禍の影響で、学びや活動に"制約"はあるものの、キャンパス・ライフで身につけた経験が生きるための知恵になります。全国の大学では、人生の可能性を広げられるように、オンラインを駆使して新たな学びを模索、活動の場をつくり出しています。

 歴史をひもとけば、生命の誕生から38億年にも及ぶ人類の進化のバックグラウンドには、個々の環境の違いを生かす協調のスピリッツと異なる考えを受容する姿勢があり、それが「知」の源泉を作り上げてきました。めざましい科学技術進展の中、大学の研究には人類の繁栄につながる萌芽を期待したいものです。