校長ブログ

新コース立ち上げ特集⑩-ディスコースマーカー

2022.05.27 グローバル教育
5月27日

 英語であれ、〇〇語であれ、語と語、文と文、パラグラフとパラグラフなどの「つながり」を把握できるようになることが正確な内容理解に資することは言うまでもありません。

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 英語の表論文を読むとき、ディスコースマーカー(談話標識)と呼ばれるつながりを表す語を意識して読めるようになると、論理展開が把握しやすく、速読力が向上します。

 その典型が「逆接」を表すbuthowever。例えば、「私、日頃、一生懸命、勉強しているのに、テストになるとサッパリなの」をA but Bに置き換えて考えてみると、Aにあたる「私、日頃、一生懸命、勉強している」はプラス・イメージ(以下、+)ですが、Bにあたる「テストになるとサッパリなの」はマイナス・イメージ(以下、-)です。このように、Aが+ならBは-、あるいは、Aが-ならBが+のような関係を「逆接」と言い、その代表がA but B。リーディングしていく中で、+のことが書いてあってもbutときたら、次は-を意識して読み進められるようになりたいものです。(リスニングでも同じことです)

 ディスコースマーカーはライティングにも役立ちます。例えば、抽象的なことを具体説明する場合、「抽象 ➡︎ 具体」という英語独特の流れに着目し、A, in short BA、要するにB)としたり、「要約・まとめ」をまとめる際、A, in conclusion B(A,結論としてB)とすれば論理的な言い回しになります。スピーキングでも同様です。例えば、前提を述べた上で自分の言いたいことにつなげたいなら、Of courseIndeed]~, but ...(もちろん[なるほど]~だが)とすれば、〜が前提、...は筆者の主張として伝えることができます。

 ディスコースマーカーは、英語だけでなく、現代文を理解する上でも役立ちます。これらに習熟し、キーワードやトピックセンテンスにひもづけ、重要度の高い部分とそうでない部分を区別できるようになれば、文章理解が早くなります。大学入試では重要度の高い部分が問われるので解答スピードが上がり、得点率が向上した事例が多くあったことを紹介しておきます。