校長ブログ
探究学習に向けて
2022.05.17
教科研究
5月17日
デジタルツールが発達し、今や、世界中で起きている様々な情報を同じ次元で捉え、思考・判断し、自由に表現することができるようになりました。SNSなどの情報手段はコミュニティーづくりに貢献し、結果、多くの生徒が環境、貧困、戦争などの社会問題に興味を示すようになり、ムーブメントを起こすことも可能になっています。
昨今の中高生ををみていると、インターネット検索には慣れているものの、すぐ答えを見つけようとする傾向があるように感じます。大切なのは本質を見極め、最適解を論理的に追求する力。同時に、まだ見つかっていない社会問題に挑戦する感性を磨き、斬新な発想です。
新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」が標榜され、今、全国の学校で探究学習が本格化しています。そこには「探究の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方生き方を考えながら、よりよく課題を発見し解決していくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す」ことが通底しています。
本校では、それらに向けて、「手探り感」をキーワードに、何が課題なのか、なぜ問題になっているのか、誰が困っているのか、まずはそこに目を向けていく姿勢を涵養していきたいと思います。
社会課題の解決とビジネスを両立するのは難しいという声をよく耳にします。しかし、社会性と利益がつながっている以上、社会性のないビジネスはあり得ません。問題なのは、何のために仕事をしているのかという問いかけがなくなり、ビジネスの持続そのものが目的となってしまうこと。パーパス(校長ブログ2022.1.10)が大切だといわれるようになりましたが、何のためのビジネスか再認識することも必要なのではないでしょうか?
ビジネスは本来、社会問題解決のためにあるはずです。従って、SDGsなどを自分の事として考えるコンセプト・チェンジが不可欠となります。これからの時代、自分なら社会をどう変えていくかというような姿勢をもって初めて社会も変わってくるのではないでしょうか?
どの地域にも挑戦できる環境が必ずあります。人も資金も集まらないと言われますが、そうした課題を乗り越えられれば、パーパスの力が発揮できる場となることは明らか。成功している人の共通点は楽しみながら知恵をしぼり、実績を上げていること。時代は移ろい、価値観が変容しています。これから求められるのは、ワクワク感のある、一人ひとりが各自の興味・関心の対象について、様々なネットワークを使いながら各自の能力を高めつつ、したたかにソーシャルビジネスをやっていく時代なのです。