校長ブログ

AIは自ら学ぶのです

2022.05.13 EdTech教育
5月13

 近年のAIは大量のデータを主体的に解釈し、自ら学習するそうです。つまり、子供が教わらなくても親の声をまねて話せるように、AIが自らスキル・アップし、文章を作成するまでに至っているのです。

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 現在、LINEの対話AIは、チャットの中で人と見分けがつかないほど自然なやり取りができるレベルになっています。そこには、文章を単語ごとに順番に覚えるものもあるとか...。これまでの人から教わり、人が自己調整学習するという″常識″がAIによって、覆されたことになります。ちなみに、対話AIは、新聞約2,700年分に相当する文章を丸暗記し、ニュース記事などから自習して自然な文章を作れるそうです。

 旧フェイスブックである米メタの研究によれば、人から教わるより、AIが膨大な枚数の画像を自ら学習した方が認識の精度は高いとのこと。学習の仕方も人が正解を示さなくても、AIが虫食いの画像から元の画像を連想するよう学んだり、色や向きを変えて特徴を見つけたり、画像を分割してパズルを解くように学んだりする方法もあります。また、メタが開発したAIは大半が欠損した画像も復元できるとか...。

 例えば、自動車レースゲーム向けのAIGTソフィー」(ソニーAI等)は、ゲームで数万時間に及ぶレース経験を積み、試行錯誤を繰り返しながら、0.1秒ごとにハンドル操作やアクセル、ブレーキの最適な判断を下す能力を得て、人の「達人」よりも速くゴールできるようになっています。

 総じて言えば、AIには個性があり、人の能力を超える可能性がある一方、通常では理解できない行動や選択をしてしまう危険性もあります。事例として、購入履歴から学習したAIが買い手の好みを判断し、必要としない商品をすすめてくるなどが挙げられます。

 人が人に教えることの意義は、学習到達目標に至る過程で、気づきや新たな学びに出会うことができ、背景知識を豊かにできること。どれほど科学技術が進歩しても様々な課題に直面する社会ではその使い方次第ではプラスにもマイナスにもなります。大切なのは、人にしかできない教育と自主的に学ぶAIの力をうまく組み合わせて役立つAIを作っていくことなのです。