校長ブログ
世界大学ランキング
2022.04.30
大学進学研究
4月30日
「THE世界大学ランキング日本版2022」(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション、ベネッセグループ)が発表されました。2017年3月に1回目の発表を行なっていますから、今年で6回目ということになります。
日本版は、日本の実情に合わせて大学の教育力を測るようデザインされており、指標は「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野。一般的な大学ランキングが入学時の学力を中心に評価されるのに対して、このランキングは学びの質や成長性に重点を置いたものになっているのが特徴です。
2022年版では273大学がランク付けされており、総合ランキング1位は2年連続で東北大学、2位は東京大学、3位は大阪大学と東京工業大学、5位は京都大学となっています。「教育リソース」で東京大学が1位、「教育充実度」では国際教養大学、「教育成果」は京都大学となっています。
中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」(2018.11)では、社会が理解しやすいように、各大学が教育に関する情報を公開し、国が一覧化すべきだと提言されています。
文科省は大学でどのような教育が行われているかを把握するために「全国学生調査」を試行実施しています。結果を見ると「小テストやレポートなどの課題」「授業内容の意義や必要性を十分に説明」「理解がしやすいように教え方が工夫」における「よく(ある程度)あった」は80%を超えており、きめ細やかな指導への評価が見られる一方、「適切なコメントが付されて課題などの提出物が返却された」は40%となっています。
また、「グループワークやディスカッション」と「質疑応答の機会」は70%を超え、アクティブ・ラーニングの展開が日常化しているようです。大学教育について「(とても)役に立っている」は、「専門分野に関する知識・理解」「将来の仕事に関連しうる知識・技能」「多様な人々と協働する力」が80%を、「分かりやすく話す力」「論理的に文章を書く力」が70%を超え、高い評価を得ています。
調査は試行実施であるため、対象は約500大学。大学・学部ごとの集計は行われていませんから抽出調査と言えます。しかし、本格実施が行われ、大学教育の実践状況が可視化させれば、偏差値だけでは測れない大学のレゾンデートル(存在意義)を測る資料になり、効果的な進路指導の一助になることは疑う余地がありません。グローバル化、DX化が進む中、大学も変容していかなければならないのです。