校長ブログ

保護者との対話から

2022.04.22 大学進学研究
4月22日

「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)が実施されて2年が経過しました。今回は「保護者との対話から」です。

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Kさん:共通テストが実施されて2年が過ぎました。これまでのセンター試験(以下、センター)とは違い、平均点が下がったという報道を見ると、親としては不安がつのるばかりです。共通テストはどのような試験であり、どのような対策をとればよいのでしょうか?

校長:今後、まだまだ改良は続けられるでしょうが、だからといってセンターと同じような内容に戻るというわけではありません。というのは、学習指導要領が改定され、今年から高校でも年次進行で新課程に入ります。学習指導要領の改定によって教える内容が変われば、それに対応させるべく大学入試も変わっていくというわけです。その兆候は晩年のセンターの設問にも見受けられました。

Kさん:背景にあるのは、グローバル化、DX化といった予測不可能な社会環境の中、「正解」のない問題に対して、多様な価値観を持つ人々と協働し、解決していくことが今後必要ということは承知しているのですが...

校長:「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」がこれから必要とされる学力の3要素とされていますね。

Kさん:私の時代はどちらというと「知識・技能」が重視されていましたが、私の子供の時はその3要素が問われるということですか?

校長:はい。共通テストや個別試験では思考力・判断力・表現力を測り、調査書や本人が記入する志望理由書などを通して、学びに向かう主体性を総合的に評価することになっています。

Kさん:共通テストは全教科ともマークですか?

校長:はい。国語の試験時間はセンターと同じ80分。当初は4大問に記述1大問(小問3問)を加えて出題する予定でしたが、記述がなくなったことで、センター同様、4大問になりました。数学① (数学Ⅰ、数学Ⅰ・数学A)は70分となり、センターより10分長くなりました。出題方針は数学に限らず、あらゆる教科で日常生活や社会の事象と関連した素材等が使われ、思考力・判断力・表現力を問うことになります。文章、グラフ、図表等、複数の資料を読み取り、情報を統合・考察する問題も出題されます。

Kさん:英語も資格・検定試験の導入は廃止となりましたが、出題方針や配点は変わるのでしょうか?

校長:センターと違うのは、リーディングとリスニングの配点が1:1になったことです。ただし、東大のように、リーディングに重きを置く大学もあります。配点の扱いは各大学に任されているので志望大学の情報を確認する必要があります。「試行調査」や過去2年間を見る限り、発音・アクセントや語句の並び替えといった問題がなくなり、実用的な文章の読解が中心になりました。"使える" 英語を意識しているのは自明ですから、4技能のバランスのとれた学習が不可欠です。本校では「スタディーサプリEnglish」を導入して4技能に対応させつつ、一定量の英語に触れられる環境にしていますので、「自己調整学習」に取り組んでほしいものです。

Kさん:共通テストに向けて必要な対策があればお願いします。

校長:過去問をみる限り、どの教科も教科書に出てくる基礎的なことを十分に理解した上で、それを "使える" 力を求めています。文章や図表・グラフなど、読み取らなければならない問題文や資料の量は増加していますから、様々な情報を時間内に読み解く速読力、情報を整理し、考察する論理的思考力が必要になってくるでしょう。さらに、「文理融合」という言葉に代表されるように、今の大学では教科横断的な幅広い学びを求めていますから入試科目にある、ないに関わらず、すべての授業を大切にしていただきたいと思います。

Kさん:子供が将来、社会で貢献できるよう、大学で「学びたいこと」を明確にして日々の学びをコツコツと積み重ねられるようしっかり支えていきたいと思います。益々のご指導、よろしくお願いします。

校長:今、言えることは、確実な情報を集め、生徒に必要不可欠な "最適解" を模索していくということ、各自の夢の実現に向けて全力でファシリテートしていくということだけです。