校長ブログ

メタバース

2022.03.04 トレンド情報
3月4

 コロナ禍によって、対面という常識が覆され、日常生活が仮想の世界に移り、「新しい生活様式」が求められています。かつて、ネットやスマートフォンの誕生により世界は一変しましたが、社会のデジタル化のうねりははるかにそれを超えています。

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 仮想の世界とはインターネット上の巨大な空間とも言える「メタバース」の中で、あたかも現実界のように、自宅からオフィスまで出社し、定例のミーティングを済ませ、その日の仕事を終え、帰宅するというもの。現実世界の一日はここから始まるのです。

 例えば、仮想自動車工場を再現したドイツのBMWは、遠隔にいる技術者がアバター(分身)として中に入り、様々な作業をシュミレーションし、仕事の効率化に寄与しています。

 デジタル化が進めば、仮想とリアルの逆転が起こります。つまり、リアルな社会の常識を突き崩すということ。米国では昨年、リモートで働ける人が前年の5倍増、1090万人になったそうです。こうなると当然、スキルの温度差が発生し、人財の争奪戦が生じます。シンガポールなどのように、デジタル戦略として、リスキリング(学び直し)を掲げる国も出てきます。

 いずれ、デジタルの世界と現実がつながり、架空の世界が現実のものになるかもしれません。そこにはメタバースと言われる「もう一人の自分」がおり、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)の技術を使った新しい世界で生きているのです。

 メタバースには多くの人や企業が参加する経済圏があり、そこで得た報酬や資産、経験は自分のものになるのです。市場は、2030年には100兆円を超えるとされ、多くの企業がその開発に乗り出しているそうです。米アップル最高経営責任者であるティム・クック氏は、Technology doesn't change who we are, it magnifies who we are, the good and the bad.(テクノロジーは、私たちが何者であるかということを変えるのではなく、私たちの良いところも悪いところも拡大するのだ)とおっしゃっています。

 人口減、気候変動、AIをはじめとする技術革新の発展、そして、コロナ禍とこれまでの常識が一瞬で過去のものとなる時代。民主化をもたらすと期待されたSNSが社会の分断を招いたように、行く手には想像を絶する難題が待ち受けているかもしれません。今まさに、山積する課題を克服し、進化につなげられるのかどうか真価が問われているのです。