校長ブログ

日本語力

2022.03.24 トレンド情報
3月24日

 吉田美穂氏(弘前大准教授)らが青森県内の小中学校及び特別支援学校に対して実施した調査(2020.5357497名)によると、外国出身で日本語が苦手な小中学生は文科省の調査の2倍になり、そのうち約7割が日本語指導を受けていないことがわかりました。

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 調査内容は、「平仮名などは書けるが、間違うこともある」「日記程度の簡単な文章を書ける」など、日本語能力を5段階で判定するものです。

 細かく見ていくと、読み書きの指導が必要とみられるものが109名、そのうち、約7割にあたる75名が日本語の指導を受けていません。また、日本語での学習に支援が必要とされるもの104名のうち、これまた約7割にあたる73名が日本語指導を受けていない状態です。

 文科省が2年に1度実施する全国調査では、日本語能力の判定は各校に任されており、判断基準も定められていません。その意味で、支援を要する児童・生徒がカウントされていないこともあり得るのです。また、日本語が不得意なため、授業内容を十分に理解できていないにもかかわらず、学習意欲が欠けていると判断され、支援の対象外とみなされてしまうことも考えられます。

 文科省は、「対話型アセスメント」(DLA)という日本語能力の測定方法を開発しましたが、実態として、DLAを活用している学校は、判定に1人約2時間かかることからごく一部にとどまっているようです。

 海外では外国籍の子どもの語学力を判定する際、客観テストを活用しています。米国では、州単位で生徒個々の国語力を測る試験を行い、到達度を測定、毎年、国に報告しています。韓国では国が開発した試験を国語力の測定に生かしているようです。

 いずれにせよ、国や自治体は日本語の指導を必要とする児童・生徒の到達度を客観的に測る「ものさし」と日本語指導がまんべんなく行き渡るような教育体制を構築する必要がありそうです。