校長ブログ

同期型オンライン学習②

2022.03.01 EdTech教育
3月1

 コロナ禍の中、対面授業が不可能となれば、遠隔授業に切り替えざるを得なくなります。教室でクラスメイトと机を並べて行う学習と家庭での学習のバランスが入れ替わった形です。言い換えれば、平常授業がオンラインに変わり、生徒個々の自学自習が増え、インプットとアウトブットをすべて自宅でこなすということ。コロナ禍以前なら考えられなかったことです。

 本校では、2021年度から学校改革を断行し、教育方法の一つとしてEdTech教材を活用した個別最適化学習校長ブログ2021.8.7を実践しています。1人1台端末の環境の中、遠隔会議システムZoomを活用しての双方向型の授業を行うのと同時に、EdTech教材を活用した非同期型オンライン学習をブレンドして自助努力を育もうという取り組みです。今回は、双方型の同期型オンライン学習校長ブログ2022.1.14の利点についてです。

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 同期型オンライン授業は、相手の表情を見ながらコミュニケーションがとれるので、生徒の理解度が推し量れます。また、生徒の顔の下には名前が表示されるため、不安な気持ちでいる生徒と担任を結ぶ利点も見出せました。

 生徒は自宅で自学自習できる分、日々の学習に対するPDCAサイクルを調整することが不可欠とされますが、教師はどのような環境で勉強しているのかを垣間見ることができます。また、バーチャル背景は緊張感をときほぐしてくれます。
 教師側の段取りにも変容が見られました。これまで教師の自作教材と言えば、文字が圧倒的に多かったのですが、同期型オンライン授業では生徒の興味・関心を引き、集中度を高めるためにカラフルな図表や写真を添付することができます。著作権においては、これまでネットを介しての配布は認められていませんでしたが、オンライン授業でも配布ができるようになったため、教材作成の創意工夫が可能になりました。

 授業中はチャット機能を使って質問を見ることもできます。質問に答えながら授業を進めていると、双方向の授業ができているという実感が得られるだけでなく、想定していない質問に出会うこともあり、授業デザインにプラスになっているという声をよく聞きます。コロナ禍が収束した後の学校文化はどうあるべきか、様々な示唆を与えてくれる好個の事例になっていると言えます。

[参考]中高大生が感じるコロナ禍の影響(テスティー)としては、トップ3が「退屈」「不安」「不自由」です。子供が自宅学習でデジタルを活用している割合(イー・ラーニング研究所)は7割にものぼり、学習機能としては「授業配信などの動画機能」が最多。また、休校中の小中高校生の約9割がオンライン学習が「役に立った」(ライフイズテック)と感じており、費やした時間は1日平均「1時間以上2時間未満」33.6%、「30分以上1時間未満」31.8%。休校中の高校生の勉強時間は4割増(スタディプラス)となったものの、ついスマートフォンを触ってしまう、集中力が続かない、わからないことを聞ける人がいないなどの課題も浮き彫りになっています。