校長ブログ
宇宙の旅
2022.03.21
トレンド情報
3月21日
昨年、前沢友作氏(ZOZO創業者)が国際宇宙ステーション(ISS)に滞在したことが話題になりました。宇宙旅行実現に向けて新たな一頁を開いたとも言えるものです。ライト兄弟がライトフライヤー号の初飛行に成功したのが1903年。今や、科学技術の進歩で航空機での旅行はありふれたものになりましたが、時代は過ぎ、宇宙旅行が実現されようとしているのです。
宇宙旅行と言えば、海外ではジェフ・ベゾス氏(アマゾン創業者)やリチャード・ブラウン氏(ヴァージン・グループ)が目新しいところですが、彼らは自らが創業した企業によって作られた宇宙船に乗り、宇宙から地球を眺めたり、無重量状態を楽しまれています。一方、日本は未だ有人ロケットを所有していないため、有人宇宙船とロケットの開発が喫緊の課題ですが、無人補給機「こうのとり」に空気を満たす与圧室を設け、iSSに貨物を輸送するなど、積極的な取り組みを進めています。
国産の有人宇宙船を開発する場合、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの技術を活用し、民間企業と連携していくことが必須。米国では政府機関が顧客となり、市場を約束するアンカーテナンシーと言われる制度を導入して、スタートアップ企業を資金面で支援しています。
法律の整備も不可欠。現時点での日本の宇宙開発に関する法律整備は十分でないことが指摘されています。また、ロケットの安全性を航空機と同水準まで引き上げなければならないという課題もあります。さらに、ロケットが発着する宇宙港の建設や管制システムの確立も求められます。ちなみに、種子島などのロケット発射場は打ち上げだけで宇宙船やロケットが戻ってくることを想定していないとのこと。当然、帰還時の着陸までを考慮した宇宙港の建設が必要となります。
世界各地で宇宙港の建設計画が進行中であり、日本では北海道大樹町や沖縄の下地島、大分空港などが舞台となっています。環境整備を完了して宇宙のハブ空港の地位を確立できれば、日本から宇宙旅行に出かける際にも便利になります。いずれにせよ、宇宙旅行が可能になる日へのアプローチが進められているのです。