校長ブログ

学年末考査に向けて

2022.02.25 学校生活
2月25

 

 面談週間が続いています。26日から学年末考査がスタートします。学年のまとめをしっかりして、新年度に備えてほしいと思います。

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 日本では4月が1年の始まりの時期ですが、コロナ禍は社会全体に暗い影を落としました。本来なら新しいクラス、新しい先生、新しい授業、新しい科書...で生徒たちは新しい学校生活に胸を躍らせ、教室は活気溢れたものになっていたはずです。しかし、2020年、入学式は中止になり、休校措置を余儀なくされた生徒、在宅勤務を余儀なくされた教職員はオンラインやメール、電話のみがコミュニケーション手段であり、モチベーションを下げたにちがいありません。

 歴史をひもとけば、教科書に載るような異常事態といえば、1929年、アメリカの株価の大暴落から始まり、1930年代まで続いた世界恐慌が挙げられます。世界恐慌は20世紀最大の不況であり、世界のGDPは約15%まで減少、1930年代半ばまで一部の国は回復するものの、その影響は第二次世界大戦まで続いたと言われています。(第二次世界大戦では日本のGDPは約4割減りました)近年に目を移すと、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショックと幾度となく経済危機に直面しました。

 新1万円札の肖像になる渋沢栄一氏は、著書『論語と算盤(そろばん)』の中に、「自然的逆境に立った場合、天命であるから仕方がないとあきらめるなら、心は平らかなる」と綴られています。5代目にあたる渋沢健氏(コモンズ投信会長)は、新入社員に対して、コロナショックに対して「自然的逆境」と捉え、落胆せず、いつか収まるという「未来思考」を持った上で、「できること、できないこと、やりたいこと、やりたくないこと、の4つの座標軸でこれからの人生を整理」する必要を説き、やりたいし、できることを増やせば、幸福な社会人になれると言及されています。

 日本製鉄、旧山一証券、日本たばこ産業を経て独立した青木健太郎氏は、チャーチル元首相の「悲観論者はあらゆる機会に問題を見いだし、楽観論者はあらゆる問題に機会を見いだす」を引用し、「自助努力で解決できない試練でも、必ず終息し夜明けがくる。だからこそ人類は今日まで生存できた」と語っています。

 時期がくればコロナは終息するでしょう。行きたくても学校に行けない生徒諸君は、スキマ時間を最大限に利用して、本を読んでほしいと思います。自分を見つめられるこの時期、日々の暮らしの中で、今、何を学ぶかというテーマをもってほしいと思います。社会に出てからも同じことが言えます。若い頃の能力差は紙一重であり、努力の積み重ねがやがて大きな舞台に導くのです。すぐに成果が出なくても地道な勉強を継続していくと、ある日突然、伸びる瞬間に立ち合うときがきます。そういう経験を積んだ人こそ、壁にぶちあたっても、創意工夫によって難題を最適解に導ける"引き出し"と自信を持っており、ここ一番の決断ができるのです。それが真のプロフェッショナルではないでしょうか?今はその準備期間だと考えて、"学びの自律"を確立してほしいと思います。