校長ブログ
他国の取り組みをヒントにして
2月19日
オランダは、スピード感をもって教育上の改善点を修正していくため、子供の幸福度が高い国と言われています。日本でも近年、注目されているイエナプラン、シュタイナー、モンテッソーリなどの多様な教育方法が、国内で積極的に展開されているため、子供は皆、"学びの選択"を通じて、自分にマッチする学校を選んで入学しています。巷ではオランダには時間割、宿題、さらにテストがないと言われていますが、実態としては、学校の数だけ教育があるため、かなり多様性に富んだカリキュラムになっています。
自校の児童・生徒にとって有益と考えられることは積極的に取り入れていく土壌をもった、個性豊かなオランダの学校に共通していることは、子供に人生を幸せに生きるための必要な準備をしてもらうという考え方。"生徒ファースト"を目途とした柔軟で、ブレない取り組みがなされている点は、日本の新学習指導要領とも合致する部分が見られます。
その一つとして、子どもの主体性を引き出すコーチングが挙げられます。学習面でも個別最適学習、自己調整学習(校長ブログ2021.8.7)を進め、子供には自分で考え、振り返りながら個々の強みを探っていけるような方向づけをしています。勉強が得意な子供はそれを活かした道を、勉強が得意でない子供には自分が得意とするもの、興味・関心があるものを見つけさせ、それを伸ばして社会に貢献していく道を拓いていこうという教育を実践しています。子供にとって今、何をすることが将来の幸せにつながるかに焦点をあてたコンセプトは全世界の共通項です。
毎日新聞の調査(2017年)によると、日本では約37,000人の子供(15~19歳)が通学や仕事をしながら家族の介護をしている ヤングケアラー だそうです。総務省の「就業構造基本調査」(2017)の推計では、家族を介護している15~29歳が全国に約21,000人いるとのこと。背景にあるのは少子高齢化やひとり親家庭の増加。一人で抱え込んだり、過度な負担や長期間にわたるとメンタルな部分で不調をきたし、学校生活等にも影響を及ぼし、進学・就職を断念するなどの事案につながることがあります。
同社によれば、約37,000人のヤングケアラーのうち約8割にあたる約30,700人が通学しながら介護をしており、さらにそのうち約4,900人が仕事もしているとのこと。さらなる実態として、学校と両立させながらと答えた子供の3割以上が週4日以上も介護に従事しています。総務省の調査では15歳以上を被験者としているものの、14歳以下の小中学生にヤングケアラーがいることが確認されており、介護をする子どもはもっと多い可能性が高いとのこと。日本の教育も"学びの選択"に向けて抜本的な見直しを迫られていると感じるのは私だけでしょうか?