校長ブログ

人の流れ

2022.02.07 トレンド情報
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 今、世界では、農村での大家族、都市での核家族が増加し、それによって、人口動態は変化、家族のあり様も変わってきました。人口動態は家族の形に密接に関係しているのです。日本、欧州、アジアでは、大都市とその周辺で単身世帯が増加しているとか。日本は、高齢化・単身化ともに世界トップクラスであり、2040年には全世帯の約4割が一人暮らしになると言われています。近年、都市化や女性の社会進出で未婚・晩婚・少子化が加速し、独身者や独居の高齢者が増え、結果として、高齢化と単身世帯の割合が増加しているというわけです。

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 人は豊かさと夢を追い求め、農村から出て、ヒト・モノ・カネの集まる都市に移動するのが常ですから当然、都市は膨張していきます。国連によると、2050年には世界人口の3分の2以上が都市に住むと推計されています。東京をはじめとする先進国の都市が縮小するのに対し、南アジアやアフリカでは都市への集中が目立つとのこと。2035年には人口が4300万人を越え、世界最大になる見通しのインドのデリーなどでの急速な都市化は、スラム人口を増加させる要因にもなる可能性があります。また、先進国にとっては都市の機能をどう維持していくかという問題も発生します。

 歴史的にみれば、第2次世界大戦の終わり頃から人口爆発は欧米からアジアへと広がり、経済成長につながっていきましたが、20世紀末、欧米の人口が伸び悩み始め、人口減の時代に突入します。現在はアフリカの人口だけが増えています。国連の統計では、2100年頃、アジアとアフリカの人口の差が9%ほどに縮まるそうです。アフリカには、貧困や政治腐敗、投資不足などの難題があり、期待を担う反面、先進国の支援が不可欠であるのもまた事実です。

 先進国は豊かな経済力があっても人口は減りますから移民依存率が高まる可能性もあります。人口減の先進国と人口増の途上国のバランスをとるのに移住が考えられますが、近年、ドイツやスペインで急増しているようです。オーストラリアやカナダでは全人口の23割と見積もられています。移住の波がいつまで続くかわかりませんが、世界は社会を再構築する必要性に迫られているのです。

 今後、アフリカの一部の地域を除いて、人口ピラミッドは三角形から上が膨らむ「つぼ」型へと移り、多数派が6070代になります。高齢化社会ですから人口や世帯は縮小し続けていきます。2050年時点では、全人口に占める65歳以上の割合は約16%、日本は約38%だそうです。労働や消費の担い手が減少し、社会保障の費用が膨張、経済がシュリンクする中、どのように社会貢献していくか、知の集積が求められることは言うまでもありません。