校長ブログ
日本語の壁
2022.02.05
トレンド情報
2月5日
大学を卒業し、専門的なスキルを身につけた外国人が、日本企業の採用で高度な日本語コミュニケーション力を求められるため、言葉の壁に直面しているようです。
IT分野など、人手不足が深刻になる中、国は企業の成長の担い手となる「高度外国人材」の呼び込みをめざしています。しかし、高度な日本語でのコミュニケーション力を重視する採用に重きをおく採用のあり方がネックになり、人財を確保できていない状況となっているのです。これは専門性を重視する欧米とは対照的と言えます。ある民間データによると、求人の7割以上が最高水準の日本語力を求めているのに対し、そのレベルに達する者は4割弱にとどまるとのこと。
経産省は、IT人材が2030年に最大79万人不足すると推計していますが、実際、日本で就職した留学生数は国が目指す5割に届いていません。高度な日本語力を重視する背景には、日本の企業が職務内容を特定化しないメンバーシップ型雇用が中心であることが挙げられ、結果、言語・意思疎通が不安な場合は採用に結びついていないのです。近年、ITベンチャーなどの企業は、専門性を重視した採用にシフトしてきているものの、働き方改革への対応やダイバーシティーの実現に向けて、個々のスキルにウェートを置く姿勢こそが時代の要請というものではないでしょうか?
[参考]コロナ禍でも採用の早期化が進んでいます。学長アンケート(日経)によれば、学業への影響やミスマッチ、就活の長期化につながる懸念から7割超が望ましくないと答えているとのこと。一方、インターンや面接でオンライン形式を導入する企業が増えたことについては前向きな意見が多いものの、学生支援の充実という点で課題があると指摘する声もあります。また、コロナ禍での学生への影響について、心理面での悪影響、内定を得る学生とそうでない学生の二極化が指摘されています。