校長ブログ

インドではAI学科が誕生

2022.02.03 大学進学研究
2月3日

 インド工科大学(IIT)ハイデラバード校がAIの先端技術を駆使した研究を進め、内外の企業と連携しながら産業課題に取り組んでいます。同校が国内初のAI学科を新設したのは2019年の夏ですが、現在ではインド全土に23校と広がっています。

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 インドが国家の発展に貢献できる人財育成に着手したのが1951年。当時は、デリー校やボンベイ校などの7校だけですから、IITのキャンパスの拡大は、前途ある若者に門戸を開くのと同時に、国の発展の一翼を担う一大事業になっていると言えます。

 2008年にできたハイデラバード校は、アカデミズムの枠にとどまることなく、産業界と連携して社会の諸問題解決に寄与することを目途としており、スタートアップのような経営を展開しています。工学系の学科を有する同校は、コンピューターサイエンスのバックアップに併せて、AIの倫理も含め、その可能性に着目、2018年、AI学科構想を打ち出し、新設に至ったとのこと。ハイデラバード校については日本政府やJICA(国際協力機構)なども支援しています。学術交流の一環としてインドに移住し、計算機科学・工学科で教鞭をとられている日本の方もいるそうです。グローバル化は加速しているのです。昨年夏には米航空宇宙大手のハネウェルとJICAの支援を受け、大容量のサーバーを備えたAIの研究センターが本格的に稼働。また、複数の日本企業が連携に乗り出し、インド財閥が研究拠点として興味を示しており、さらなる飛躍が見込まれています。

 AI学科では、数学の基礎を学修することから始まり、学年進行と共に、ロボット工学などの各分野に専門性を深め、学生の興味・関心に応じて、AI技術を様々な領域の拡げながら、どう活かすかについて研究する仕組みになっています。米マイクロソフトといった有力企業のインターンシップに参加する学生も少なくありません。研究開発の成果は、スマートシティーの構築はじめ、自動車や航空などの産業界に新たな息吹を吹きこもうとしていることから期待値大なのです。