校長ブログ

海外の教育事情

2022.01.12 トレンド情報
1月12

 文科省は、「新しい時代の初等中等教育の在り方について」において現行制度を見直し、再構築するのと同時に、Society 5.0 時代を見据え、ICT を基盤とした先端技術とビッグデータを効果的に活用していくための取り組みとして、「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」を示しています。

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 キーワードをまとめると、IoTによる新たな価値の創造、 AIによる最適解の発見、ロボティクスの進展による人間の可能性の拡大といったような内容になりますが、参考にすべき海外の取り組みも例示されています。  

 アメリカは、州によってカリキュラムが異なるため、2009年、共通教育データ標準(CEDS Common Education Data Standards ) と呼ばれる連邦プロジェクトがスタート。それによって、データの相互運用性が確保され、ビッグデータ分析の基礎として機能、英語と数学の共通カリキュラムである「Common Core State Standards」が運用されるようになりました。多くの学校では生徒情報システム(SISStudent Information System) を通じて、授業実践に資する他、児童・生徒個々の "つまずき" を分析して個別最適化学習を提示するだけでなく、退学の予兆を把握して早期対処等にも活用しています。その点は、本校の学事システムや数学・英語の EdTech 教育と重なります。

 イングランドは、教育水準局(Office for Standards in Education)が各校の様々なデータを蓄積し、学校評価に利用しています。各校では、アメリカのSISのような管理情報システム(MISManagement Information System) を使って個別指導が必要と思われる児童・生徒を自動的にリストアップ、日々の指導に役立てています。また、イングランド教育省は、Webベースの分析システムである Analysing School Performanceを提供しており、これによって、全国学力テストの結果等を自校と比較することができるようになりました。学校評価は、全国学力テストだけで判断するのではなく、児童・生徒の学力がどれだけ伸びたかに着目、実情に合わせた付加価値(Contextual Value Added)を検証することによって測定する方法が採られています。

 オーストラリアは、かつては州によってカリキュラムが異なっていましたが、2013年から国全体の標準カリキュラムを実施。各校で蓄積されたデータは、各州の学習到達度や教育事情を比較するために利用されています。なお、カリキュラムは公開されており、教材や授業案を共有できるようになっています。

 本校においては、デジタルとアナログを融合しつつ、カリキュラム・マネジメントを通じた個別最適化学習(アダプティブ・ラーニング)を実践、生徒一人ひとりの夢の実現に向けて努力して参ります。