校長ブログ
2022年度共通テストを終えて
2022.01.25
大学進学研究
1月25日
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が終わり、各教科の平均点の中間集計が発表されました。大学入試センター試験(以下、センター試験)をリニューアルし、昨年、初めて導入されて以来、2回目の共通テストでしたが、全体的に低い結果でした。数学I・Aを筆頭に、過去のセンター試験の平均点と比べて7科目が過去最低となっています。
出題方針としては、脱知識偏重を掲げ、思考力・判断力・表現力を測定する姿勢が打ち出され、暗記だけでは対応できない問題や複数の資料を読み取り、考察する力が求められるなど、新しい視点が多く盛り込まれました。しかし、今回のように全体的に平均点が下がり、点数にあまり差がつかない場合、合否判定に影響が出る可能性があります。大学教育が求める学力を測定したいという意図は理解できるものの、難易度の適切性という点で懸念の声があがっているのもまた事実。
共通テストには約53万人が志願し、中間集計は採点が終了した約24万人の得点をもとに算出されています。得点調整は行わない見通しとのこと。数学Ⅰ・Aは昨年と比べると約20点減の平均37.96点。センター試験を含めて問題は毎年異なるため、単純比較はできませんが、最低点を記録した2010年の48.96点をさらに下回っています。問題を見る限り、分量も多く、十分なトレーニングを積んでいないと時間内に解くのは厳しく、受験生には難しく感じられたはずです。
大学入試センターは、外部評価も踏まえて分析するとしていますが、妥当性・信頼性・客観性という点で、生徒個々の実力が得点に反映されているかどうかわかりにくいものとなりました。また、中堅の学力層の得点差がつきにくいだけでなく、共通テストの結果を合否判定に利用する大学にも影響が出るのではないかと考えられています。いずれにせよ、今後、幅広いレベルの受験生が受けることを意識した問題を設問することが求められることになるでしょう。
本校においても15〜16日の共通テストの後、17日に自己採点、21日に出願検討会を行いました。生徒諸君は、一喜一憂せず、全体の受験生の中での自分の立ち位置を冷静に見極め、2月後半から始まる個別試験に向けて、これまでの取り組みを継続すること、そして、学校は個別最適化による自己調整学習を全力でサポートするのみです。なお、共通テストは各教科とも正答率を算出した上で、設問分析を行い、平常授業にひもづけていきます。