校長ブログ
SF思考法
2021.12.10
トレンド情報
12月10日
新型コロナウイルスの感染拡大、地球温暖化による悪影響など、予測不可能な時代、未来は一段と不確実なものになっています。その中で、将来を見通し、成長戦略を行動に移すSF思考法に注目が集まっています。
三菱総合研究所はSF小説に注目してきた企業の一つ。創業50周年を機に、筑波大学と連携、「SF思考学」をまとめ、さらなる発展に向けて未来構想を進めています。
歴史的に見れば、海外では、社名をメタに変更したIT大手のフェイスブック(米)がSF小説から新たなコミュニケーションの場となる仮想空間メタバースを生み出しました。SF思考では、先入観から離れ、視野を広げ、ありうる未来を導き、どう向き合うのかを専門知識をもとに考えることが求められます。その分野の研究では、アリゾナ州立大学サイエンス・イマジネーション・センター(米)が有名です。
一見、SF小説は現実離れしてはいるものの、登場人物が現実的なストーリーを展開するため、米国のマイクロソフトやインテルなどが以前からSF思考に注目していたようです。フランスの数学者であるラプラスは未来を予測できる特別な存在「ラプラスの悪魔」があると唱えましたが、量子力学に否定されました。その後、未来予測へのシナリオを揃える「シナリオプランニング」という発想が出てきますが、情報化が進んでいる以上、不確実な未来を思い描くのはまだまだ難しいようです。植田一博氏(東京大学教授)らの実験によると、専門知識が多いタイプの人は一つのことにこだわりすぎて創作活動にマイナスになり、専門知識が少ないと視野が広く、プラスの影響が表れたとのこと。いろいろな研究が進められています。
先が見通せない不安な時代だからこそ、未来設計の羅針盤として、企業はSF小説の作家の思考法を拠り所に新たな事業を模索しようとしているのです。