校長ブログ

大学受験準備

2021.12.18 大学進学研究
1218

 今年、大学センター試験から大学入学共通テスト(以下、共通テスト)に移行しました。今回は大学入試改革が進む中での保護者との対話からです。

 DSC06995.JPG

Oさん:今年から新しく導入された共通テストについてどのように分析され、指導方針を打ち出されていらっしゃるのですか?

校長:共通テストが大学センター試験と大きく違う点は、全教科を通して複数の素材を関連づけて読ませ、情報を組み合わせて思考力、判断力が問われる問題が出題されるところです。当然、情報量は増加します。例えば、理科なら実験や観察結果をまとめた表やグラフから必要な部分を抜き出して分析、背景知識に基づいて論理的に解釈する力が求められます。社会なら地図やグラフ、資料、図版を判読、背景や経緯、原因、影響などを考えさせる力が求められるといった具合です。その意味で、各教科とも教科担当者には単元に関連する言語材料を授業に盛り込み、普段からなるべく多くの資料を読む習慣を与えつつ、分析する力を育成するようお願いしています。

Oさん:大学入試改革の中、生徒たちにはどのような指導・助言をされていますか?

校長:入試の形式がいかに変わろうとも、高校の教科書を中心とした基礎・基本を重視した試験になることは自明です。生徒たちにいつも強調していることは、本校教員が行う日々の勉強を着実にこなすこと、共通テスト対策としては、5教科が定期的に行う確認テストや定期考査を大切にすること、そして、予備校等が試行調査に基づき分析し、作成された模試などの復習を授業内に組み込むので、傾向をつかみ、効率よい対策に努めることをお願いしています。同時に「アドバンスト講習」では予備校講師の力を借りて、国公立2次や私大への受験対策を万全にしておくことが肝要と申しております。そのためにも高3の夏までに高校全範囲の学習を終わらせ、夏期休暇からは志望大学の過去問に取り組めるような方向づけをしています。

Oさん:指導・助言するとき、特に配慮されていることはありますか?

校長:スタディプラスが実施した調査(2019)によると、高校生や浪人生の8割以上が新しい大学入試制度を「見直すべき」と考えていることが明らかになっています。不安な点として、約7割が「情報不足」を挙げ、8割以上が「実施を見直すべき」と回答する結果。本校としては、全校体制であらゆる情報を収集し、必要なことは合意形成の上、即座に落とし込んでいくようにしています。この他、「過去問題がない」「英語のテストが変わる」「先生たちも経験していない」「合格不合格の予想が立てづらい」などが約半数を占めていますが、進路指導部を中心に学年、教科が連携を密にしつつ、対策を講じていきます。「入試制度の変更は、受験する大学の選択に影響しているか」との問いに対しては、32.4%が「はい」、67.6%が「いいえ」と回答していますが、本校では、第一志望にこだわり、初志貫徹を前面に出した進路指導を行って参ります。