校長ブログ
有人宇宙飛行
2021.11.16
トレンド情報
11月16日
宇宙飛行と言えば、1961年、旧ソ連が先鞭をつけ、1962年には、東西冷戦中の米国が地球周回軌道に宇宙飛行士を送り込みました。民間では、TBSの記者であった秋山豊寛さんが1990年、宇宙船「ソユーズ」に乗り込んでいます。
今年9月には、米国でスペースXの宇宙船クルードラゴンが4名の民間人を乗せて3日間の宇宙旅行を行いました。プロの宇宙飛行士でなく、民間人による初の宇宙旅行です。
クルードラゴンは、9月16日、日本時間午前9時頃打ち上げられ、高度は約585キロメートル、宇宙船の中で地球の周囲を3日間回り続けた後、19日午前8時頃に帰還しました。飛行訓練は、シミュレーターや戦闘機を使って宇宙船の高速飛行でかかる負荷を体験したり、雪山登山など、約5カ月を要したとのこと。
4名のメンバーは、映画「2001年宇宙の旅」で使われた曲「ツァラトゥストラはかく語りき」をかけながら搭乗、太陽、月、地球に広がる雲、大地などの写真や動画をSNSで公開しています。場所は宇宙飛行士がいる国際宇宙ステーション(ISS)のある高度約400キロメートルより高いところですが、旅行中には、サンドイッチや野菜の盛り合わせ、サラミなどを食べたそうです。
メンバーの1人であるヘイリー・アルセノーさんは、10歳の時、骨肉腫を患い、米国の病院で克服、今はその病院に勤めていられる方ですが、感想として、病気を治したとき、世界の頂点に立ったかのような気分だったが、今回は文字通り、世界の頂点に立つことができたと述べられています。
7月、2人の英米の大富豪が短時間の宇宙旅行を経験されています。目的地は宇宙と地球の境界とされる準軌道(サブオービタル)と呼ばれる領域で、滞在時間は数分間。高度は80~100キロメートルです。一方、スペースXの宇宙船が飛んだのは「地球周回軌道」と呼ばれる場所であり、準軌道よりも飛行速度が必要で、リスクや必要な技術も高いところです。なお、2023年には月を周回する旅行が予定され、将来的には火星も視野に入ってきているようです。
アメリカは、現在、宇宙開発を国家から企業にシフトしているため、宇宙開発スタートアップが成長しているとのこと。民間ならではのスピードで長く国家だけが中心だった宇宙開発が変容を遂げようとしているのです。