校長ブログ
基本的生活習慣
2021.11.24
カリキュラム・マネジメント
11月24日
学校では「基本的生活習慣」という言葉をよく耳にします。今回は初めて担任をされたM先生との一コマからです。
M先生:先輩の先生方からクラス運営にあたって、生徒たちの「基本的生活習慣を確立する」ことが第一歩と言われたのですが、具体的にどのように考え、落とし込んだらよいのでしょうか?
校長:基本的生活習慣という言葉は文字通り、人が生きていく上で必要とする習慣のことだけど、安定している学級は、生徒の挨拶・身だしなみ・言葉遣い、教室内の整理・整頓、掃除のレベルを見れば、学習到達度やその他諸々が大体わかるものだよ。つまり、「基本的生活習慣を確立する」とは当たり前のことを当たり前にやり続けること。凡事徹底とも言うね。これは異業種や一般家庭にもあてはまるんじゃないかな。
M先生:よくわかります。朝の挨拶ひとつとっても皆が元気な声、笑顔で挨拶を交わす姿はとても気持ちがよいし、一日の始まりをスムーズなものにしてくれます。
校長:人間が生きていく上で最も大切なのがコミュニケーション。挨拶は、"心の目"(心眼)を開いて相手を観る、つまり、コミュニケーション活動の第一歩。挨拶を交わすことによって人と人との輪が広がり、円満な関係構築につながるんだね。
M先生:その通りだと思います。整理・整頓や掃除も快適な環境を創り出すだけでなく、周囲をすがすがしい気持ちにしてくれます。
校長:そう。掃除を通して生活空間を美しくすることは "心を磨く" ことに相通じるものだよ。ゴミが落ちていれば拾う、必要なものはいつでも出せるようにしておく、その日のうちにやるべきことは仕上げる、といったごく当たり前のことを当たり前にこなしていける風土を創り、日常から生徒たちに示すことが肝要だね。また、時間に遅れない、約束は守るといったことをやり続ける姿勢も不可欠だよ。地道な取り組みが継続的にできる人は難しいことにも挑戦・解決できるのだからね。
M先生:いわゆる「あ・じ・み・そ運動」の徹底ですね。クラス担任をさせていただいて、自らが率先垂範して、小さな事を着実に積み上げていくことが何より大事だと痛感しています。
校長:同時に、環境美化に対する意識も高めてほしいね。民間企業では、電気・ガス・水道等の原動費削減、リサイクル率・リユース率の向上、ペーパーレス化、物流コストの削減といった取り組みが活発化しているよ。いわゆる「5S運動」だね。
M先生:「5S運動」...?
校長:5Sとは「整理」「整頓」「掃除」「清潔」「しつけ」の頭文字。「整理」は要らないものを処分すること、「整頓」は要るものを使い易い場所にキチンと置くこと、「掃除」は身の回りのものや職場をきれいにして、いつでも使えるようにすること、「清潔」は誰が見てもきれいな状態を保つこと、「しつけ」はルールや規律を守り、習慣づけることだよ。
M先生:なるほど。徹底できそうでなかなかできていないのが現状です。
校長:「5S運動」の浸透は学力向上にも直結するよ。そのためには生徒も教職員もそれぞれの役割を果たすことが大切。今、求められているのは、教師がサポータ-という立場に立ち、生徒のモチベーションを高め、生き生きと学校生活を営める環境を創り上げられるような指導を展開すること。そのためには生徒の動向を注視し、「任す」ことと「放任」することの違いをおさえつつ、常に支援するというスタンスをとることによって、生徒のポテンシャルを最大限に引き出す模索をすることじゃないかな。
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