校長ブログ

教育移住

2021.11.09 トレンド情報
11月9日

 少子化が進み、自治体はじめ、多くの教育機関では、自然の特色を生かす、海外の手法を活用するといった独自色を打ち出すことによって、新しい時代の教育実践を構築しようとしています。人口減が進む地域への教育移住もその一つです。

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 現在、全国の15歳未満は約1,500万人ですが、過去10年で見ると11%ほど減少しています。各自治体は現状を鑑み、様々な取り組みを行っています。

 例えば、新潟にある粟島浦村では、牧場で馬を世話しながら小中学校に通学する「しおかぜ留学」制度を設けました。結果、通学者は19名から43名へ倍増、増加率はトップです。今年は、コロナ禍という逆境にもかかわらず、さらに増加、20名枠に首都圏などから60名以上の応募があった模様。進学のため、島を離れる若者が多いという現状の中、再移住も期待できます。

 別の事例としては、1991年に創設した鹿児島県十島村の小中学生の「山海留学」が挙げられます。移住する生徒数は例年、約10名でしたが、今年度は42名に増加、教員も70名となっています。ユニークなものとしては、2016年、福岡県新宮町が地元の大学の協力を得て、気象の動向や太陽光発電量などをデータ化し、モニターで公開する「スマートスクール」を開校、環境教育を推進しました。

 グローバル化に対応させて、国際教育に力を入れる学校もあります。イギリスのハロウスクールは、岩手県八幡平市に全寮制のインターナショナルスクール、長野県白馬村にも全寮制の白馬インターナショナルスクールを開校予定です。2019年には、長野県佐久穂町に年齢の違う子どもを一緒に学ばせ、個性や到達度に応じた教育の実現をめざすイエナプランを採用した認定私立校が開校しています。全校約140名のうち、約8割が移住、都内からの入学者は50名を超えるそうです。人気の源泉は、自主性の確立や生徒同士の教え合いで自己肯定感を高められること。また、広島県福山市は、イエナ認定の公立校を2022年に開校する予定になっています。

 次世代リーダーを育てようと、文科省の指定を受け、ユニークな教育に取り組む教育課程特例校が全国には1700校以上あります。自治体はじめ、様々な教育機関が独自の教育を模索し、新しい時代を見つめているのです。本校もWith/After コロナ時代の個別最適化学習の定着に向けて着実な歩みを進めていきたいと思います。