校長ブログ
個別最適化学習に向けてのEdTech教育
2021.08.18
EdTech教育
8月18日
今回は民間の教育関連企業のM氏との対談の一部をお届けします。本校も新しい時代にふさわしい教育を求めて、様々な取り組みを行っていますが、そのキーワードは個別最適化学習、つまり、アダプティブ・ラーニングです。
M氏:これからの時代の教育展開はどのようなものになるとお考えですか?
校長:グローバル化、DX化が進む昨今、その底流にくるのが個別最適化学習に向けてのEdTech(エドテック)という発想です。
M氏:エドテック???
校長:エドテックは造語でEducation(教育)とTechnology(技術)のこと。10年以上も前にアメリカで注目され、数年前に日本に入ってきました。これまでの教育を変える大きな可能性を秘めていると言われています。
M氏:ICT教育のことですか?
校長:ICT教育はICTを活用した教育方法であるのに対し、エドテックはテクノロジーを活用して教育に革新的変化を起こすような意味合いを持っています。
M氏:具体的にどのようなものですか?
校長:欧米の有名大学を中心としたオンライン講義であるMOOC(Massive Open Online Course)がその典型。教師-生徒のコミュニケーション・ツールとしてのSNSなどもそうです。
M氏:そういう意味では、タブレット端末に宿題や小テストなどを配信するクラウドサービスである Classiがそれに近いのではないでしょうか?Classiには「授業・学習コンテンツ」「生徒カルテ」「コミュニケーション」の機能があり、現場ではかなり役立っていると聞いています。ところで、平井校長は、エドテックについて、どのような点でメリットを見出されていますか?
校長:LMS(Learning Management System)と呼ばれる学習管理システムです。これを活用することで学習状況の進捗管理が可能になり、生徒個々の到達度に対応するアダプティブ・ラーニングに直結させることができると判断しています。
M氏:アダプティブ・ラーニング? 校長:個別最適化学習のことです。生徒が各自の到達度に合わせた学習を進め、効率よく学びを深めることをねらいとしています。近年では、到達度に合わせて学習内容を自動調節する教育サービスが提供されています。
M氏:これからは学校教育の有り様も大きく変わってきますね。ICT機器のおかげで、授業のツールとしてだけでなく、情報共有、ペーパーレス化による資料削減など、「働き方改革」にも対応できるようになっていくことが期待できますね。
校長:その通りです。まだ乗り越えなければならない課題はあるものの、着実に進化しています。全教職員の校務軽減に加えて、エドテックによって、今後は教育内容の仕組みを変え、教職員の行動を変容させていく必要があると思っています。
M氏:具体的にどのようなアクションが考えられますか?
校長:1人1台のタブレットが前提条件になりますが、今、進めているのは活用の仕組みづくり。校内専門スタッフの育成、ルールづくりと研修会の実施、各種サービスの精査、危機管理対策といったところでしょうか。
M氏:エドテックとアダプティブ・ラーニングという視点で言えば、ゲーミフィケーションもその一翼を担うと考えてよろしいでしょうか?
校長:ゲーミフィケーションは、ゲームが持つエンターテインメントとしての特性をゲーム以外の領域で活かすことを意味しますが、精査する部分はあるものの、教育分野でも活用できる部分は多々あると思います。
M氏:御校では「Qubena」や「デキタス」等を導入されたと聞いていますが...
校長:ええ。時代のニーズにあった教育環境づくりが急務ですから。ICTスキルの高い教員をEdTech教育推進リーダーに任命して、様々な検討を加えていただき、新企画を起案してもらうことにしています。本校の実情に合っており、合意形成ができるものであれば、即採用します。これからはイノベーションが求められる時代。だからこそ、本質を見極め、既成概念にとらわれない着眼点とそれを実現する真の実力を養えるようなシステムづくりを進めていこうと思います。
M氏:注目度の高い平井校長の次の"ストラテジー"に大いに期待しているのは私だけではないでしょうね。
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